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2009.4.22設置 『今日からマ王』メインです。 
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2010/02/18 (Thu)                  いたずら遊戯

★ご注意下さい!! この作品は、地下室設置作品です。コンラッドがサラとサラに操られたギュンターにいじめられてあわわ・・・・な内容です。苦手なひとは、すぐに逃げてください。お願いいたします。

 ところどころ原作と違ったり、アニメも混ざったり捏造だったり^^;サラは、アニメ設定(目が青くなって、人を操ることができる)です。なので、イェルシーは出てきません。すみませんっ。




いたずら遊戯

「ねぇ、ウェラー卿? あなたは、私の宗主国の外交大使でしょ? だったら、この船にいる間、私の身の回りの世話をしていただける? あいにくこちらの船に、私の従者が乗り合わせられなくて」

 繊細で流れるように優雅な金髪を、指先で弄びながら小シマロン王はそう告げた。コバルトブルーの海を背にした、その華奢な美少年の媚びるような笑みは綺麗だ。何も事情を知らぬ者なら、たやすく心を奪われてしまうだろう。

 けれど、ウェラー卿コンラートは、少年王サラレギーがその美しさや若さとは裏腹に、老獪な性質を併せ持つことに感づいた。

 それというのも、今の現状を見て取れば容易に判断がつく。なぜ粗末な貨物船に、身を寄せ合うように小シマロン王と眞魔国の王が乗り合わせているのかを。

 小シマロン王が、自ら用意させた豪奢な帆船は、今や海の中で煌々と燃えて沈みかかっている。
 小シマロンにおける反乱因子が、自国の旗を掲げたその帆船に火を放ったのだ。王であるサラレギーが乗船しているはずのその華々しい小シマロン船に。ところが実際に被害を受けたのは、専ら魔族の貴賓達と小シマロンの一般兵だった。          

 サラレギーは、燃え盛る自国の帆船を、あろうことか優雅に貨物船から眺めていたのだ。自分が招待した魔族の貴賓たちが、必死になって貨物船に移る間も、涼しい顔で見守っていたのだ。

 サラレギーは、反乱軍による謀反が今日起こることを知っていたとしか思えない。

 なぜなら彼は、初めから王専用の帆船に乗っていなかったからだ。彼は、豪奢なそのシマロン船が出航したあとに、敢えて聖砂国への献上品を積んだ地味な貨物船に乗り込んでいた。よりによって、美しい物好きのサラレギーがとる行動とは思えない。つまり、彼は、一癖も二癖もあるに違いないのだ。

 ともあれ、王船を追従していた簡素な貨物船に、コンラートは大切な思い人をやっとのことで移した。魔王陛下の王佐であるフォンクライスト卿ギュンターも、自力で燃え盛るシマロン船から、貨物船へと飛び移っていた。

 小シマロン王の本来の従者は、あの沈没しかけた船で救助を待つことになっていた。それさえも、サラレギーの思惑通りなのかもしれないが。

 


「そうさせていただきます、サラレギー陛下」

 コンラートは、硬い表情で彼の申し出を引き受けた。

「よかったじゃん、コンラッド。こんな可愛い御主人様のあれやこれやの世話が出来てっ・・・・・・本当によかったよな、俺の護衛役をやめて。大シマロンの大使で」
「ユーリ!」

 はじめこそ爽やかに揶揄してみせる渋谷有利だった。けれど、台詞を言い終わる頃には、彼は今にも泣きそうな顔にみえた。

 狭い甲板を、颯爽と立ち去る大切なひとに、その名前を呼びかけるも届かない。   

 とっさに割って入った華奢な両腕に身体を絡め取られたからだ。

「おっと、ウェラー卿? 今の主人は彼じゃないでしょう?」

「・・・・・・そうでした。サラレギー陛下」

「もう、硬っくるしいんだから。サラって呼んでよね? コンラート?」

 コンラートは、何も答えることなくただ曖昧に微笑んだ。その表情に、サラレギーのサングラス越しの瞳が暗く眇められたのは気のせいだろうか。

******


 コンラートは立場上、サラレギーの要求を受け入れざるを得なかった。船上で新たな主従関係を結ばれてしまった今、彼はサラレギーの一従者に過ぎない。
 殊更にわがままな主人に、振り回されていた。いや、もはや主従の範疇に入れていいものかどうかも妖しい。

「ねぇ、コンラート。この船には浴槽もないんだ。お風呂に浸かりたかったんだけどなあ。肌が痛んでしまうでしょう?」

 狭い室内で、不満げに細い腕を組みながら、サラレギーは呟いた。

 けれど、すぐさま彼は、悪戯に何かを思いついたように小首をかしげた。可憐なプラチナブロンドが、胸にひと房垂れる。丸い小窓から差し込む光はいつの間にかオレンジ色で、いっそう彼の髪を眩いばかりの金褐色に染め上げた。
 サングラス越しの紫がかった瞳が、好奇心に輝いた。

「そうだ。せっかくだから、あなたに身体を拭いてもらおうかな? ねぇ、私の服を脱がせてくれる?」

「御意」

「ふふっ、そんな堅苦しい言い方しなくても。それじゃあ、執事ごっこみたいじゃない?」

「そうですか」

 コンラートは、淡々と答えると、彼の身体を拭くタオル類や湯の用意を素早く済ませ、彼の服に手をかけた。

 小シマロンの白を基調とした華やかな軍服は、色素の薄いサラレギーによく似合っていた。けれど、その外見と中身がかけ離れていることが、コンラートにとっては不気味だった。

 乾いた音を立てて、コンラートの脱がせた衣類が地面に滑り落ちる。白い布地一枚で身体の中心に巻かれていた下着(地球では、ふんどしともいう)は、はらはらと解かれて、所在なさげに、床に広がった。

 魔族よりも白い、透き通るような肢体をあっさりと夕陽の中で晒した。サラレギーは船のゆったりとした揺れに合わせて小さなベッドに腰を下ろした。長い金髪が優雅にふわりと弧を描いた。そしてサングラスを外すと、コンラートに可愛らしく微笑んだ。

「あなたがどうしても、っていうなら、私のことを好きにしてもいいよ?」

 サラレギーは、上目遣いにじっとコンラートを見上げた。長い睫毛に縁取られた金色の瞳を、思わせぶりにゆっくりと瞬いた。その金糸のような髪の掛かる白い頬は、仄かな朱色に染まる。

 もし思い人がそのような行動をとったら、コンラートは冷静ではいられないだろう。けれど、コンラートにとってみれば、サラレギーは思い人を振り回す面倒な存在だった。油断のならない相手だ。
 そのため、コンラートは硬い表情を崩さずに、視線を手元へと戻す。そして、黙々と手拭いを湯桶につけてから、水分を絞る。


「またご戯れを。失礼いたします」

 コンラートは、サラの足元に片膝立ちをすると素肌を晒した小シマロン王の細い右腕を掴みあげた。そして、その白い素肌に、湯に浸かったタオルを事務的に滑らせていく。

「可愛くないな。つまらい。もっと、動揺してほしかったのに」
 
  可憐な容姿とは不似合いに、サラレギーは小さく舌打ちをする。そろそろ、サラレギーがその本性を表したのだろうと、コンラートは心の中で苦笑する。

 サラレギーは、コンラートに掴まれていた右腕を荒々しく振り払った。水分を含んだ湿った音を立てて、タオルが木目の床に落ちる。

 すっかりと華奢な身体を晒した小シマロン王は、細い指先でコンラートの襟元を掴みあげた。先ほどまでの可憐さは、微塵も感じられない。高圧的に、サラレギーはコンラートを見下ろした。

「ねぇ、主人にだけ裸にさせるなんて、随分じゃない? 家来のくせに」

 自分が身体を拭けと頼んだことなどは棚に上げて、少年王はきつい口調でコンラートに吐き捨てる。

「申し訳ありませんでした、サラレギー陛下」

 それでも、まるで動じることもなく、コンラートは変わらず従者然として返事をする。高圧的な美少年は、もはや表情を取り繕うこともせずに、顔を歪ませた。

「あなたさ、ユーリといるときは随分と優しくて柔らかい顔をしているじゃない? もしかすると、私の今気になるひととあなたって、相思相愛なんじゃないかな? なんて、つまらない想いが浮かんできちゃうんだよね。あぁ、本当に面白くない」
 
 ユーリという単語に、コンラートは反応する。微かに眉を上げて、サラの意図するところを掴もうとする。
 けれど、サラはコンラートと目が合うといっそう忌々しげに舌打ちをして目を逸らした。ゆっくりとベッドから立ち上がると、さっさと衣服を纏い始めた。
 そして、服を着終えると、柳眉を吊り上げて命令した。

「コンラート、何をぼんやりしているの? 早く服を脱いでくれる?」

 サラレギーは、片膝立ちをしたままのコンラートの顎先を細い指で掴みあげた。長い爪が皮膚に食い込んで、コンラートは顔を顰める。コンラートのその表情をみると、サラは唐突に表情を緩めて華やかに微笑んだ。そして、大きな瞳を見開いた。

 見開かれたサラの金色の瞳は、今やこの世のものとは思えないサファイアブルーに輝いた。
 コンラートは、その瞳の光に囚われてしまった。


裏へつづきます。ヒント、右下、英語。
 

★あとがき★

コンラッドがいじめられすぎです><; サラの好感度下げまくりですみません。
このあと更にサラに(汗)いじめられる予定です。サラに操られるギュンギュンも登場予定です(汗)
言葉攻めとかをしながらの行為(汗)だと思います。。
呆れないで、付き合ってくださるとうれしいです^^;


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