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★ご注意下さい!! この作品は、地下室設置作品です。コンラッドがサラとサラに操られたギュンターにいじめられてあわわ・・・・な内容です。苦手なひとは、すぐに逃げてください。お願いいたします。
ところどころ原作と違ったり、アニメも混ざったり捏造だったり^^;サラは、アニメ設定(目が青くなって、人を操ることができる)です。なので、イェルシーは出てきません。すみませんっ。
いたずら遊戯
「ねぇ、ウェラー卿? あなたは、私の宗主国の外交大使でしょ? だったら、この船にいる間、私の身の回りの世話をしていただける? あいにくこちらの船に、私の従者が乗り合わせられなくて」
繊細で流れるように優雅な金髪を、指先で弄びながら小シマロン王はそう告げた。コバルトブルーの海を背にした、その華奢な美少年の媚びるような笑みは綺麗だ。何も事情を知らぬ者なら、たやすく心を奪われてしまうだろう。
けれど、ウェラー卿コンラートは、少年王サラレギーがその美しさや若さとは裏腹に、老獪な性質を併せ持つことに感づいた。
それというのも、今の現状を見て取れば容易に判断がつく。なぜ粗末な貨物船に、身を寄せ合うように小シマロン王と眞魔国の王が乗り合わせているのかを。
小シマロン王が、自ら用意させた豪奢な帆船は、今や海の中で煌々と燃えて沈みかかっている。
小シマロンにおける反乱因子が、自国の旗を掲げたその帆船に火を放ったのだ。王であるサラレギーが乗船しているはずのその華々しい小シマロン船に。ところが実際に被害を受けたのは、専ら魔族の貴賓達と小シマロンの一般兵だった。
サラレギーは、燃え盛る自国の帆船を、あろうことか優雅に貨物船から眺めていたのだ。自分が招待した魔族の貴賓たちが、必死になって貨物船に移る間も、涼しい顔で見守っていたのだ。
サラレギーは、反乱軍による謀反が今日起こることを知っていたとしか思えない。
なぜなら彼は、初めから王専用の帆船に乗っていなかったからだ。彼は、豪奢なそのシマロン船が出航したあとに、敢えて聖砂国への献上品を積んだ地味な貨物船に乗り込んでいた。よりによって、美しい物好きのサラレギーがとる行動とは思えない。つまり、彼は、一癖も二癖もあるに違いないのだ。
ともあれ、王船を追従していた簡素な貨物船に、コンラートは大切な思い人をやっとのことで移した。魔王陛下の王佐であるフォンクライスト卿ギュンターも、自力で燃え盛るシマロン船から、貨物船へと飛び移っていた。
小シマロン王の本来の従者は、あの沈没しかけた船で救助を待つことになっていた。それさえも、サラレギーの思惑通りなのかもしれないが。
「そうさせていただきます、サラレギー陛下」
コンラートは、硬い表情で彼の申し出を引き受けた。
「よかったじゃん、コンラッド。こんな可愛い御主人様のあれやこれやの世話が出来てっ・・・・・・本当によかったよな、俺の護衛役をやめて。大シマロンの大使で」
「ユーリ!」
はじめこそ爽やかに揶揄してみせる渋谷有利だった。けれど、台詞を言い終わる頃には、彼は今にも泣きそうな顔にみえた。
狭い甲板を、颯爽と立ち去る大切なひとに、その名前を呼びかけるも届かない。
とっさに割って入った華奢な両腕に身体を絡め取られたからだ。
「おっと、ウェラー卿? 今の主人は彼じゃないでしょう?」
「・・・・・・そうでした。サラレギー陛下」
「もう、硬っくるしいんだから。サラって呼んでよね? コンラート?」
コンラートは、何も答えることなくただ曖昧に微笑んだ。その表情に、サラレギーのサングラス越しの瞳が暗く眇められたのは気のせいだろうか。
******
コンラートは立場上、サラレギーの要求を受け入れざるを得なかった。船上で新たな主従関係を結ばれてしまった今、彼はサラレギーの一従者に過ぎない。
殊更にわがままな主人に、振り回されていた。いや、もはや主従の範疇に入れていいものかどうかも妖しい。
「ねぇ、コンラート。この船には浴槽もないんだ。お風呂に浸かりたかったんだけどなあ。肌が痛んでしまうでしょう?」
狭い室内で、不満げに細い腕を組みながら、サラレギーは呟いた。
けれど、すぐさま彼は、悪戯に何かを思いついたように小首をかしげた。可憐なプラチナブロンドが、胸にひと房垂れる。丸い小窓から差し込む光はいつの間にかオレンジ色で、いっそう彼の髪を眩いばかりの金褐色に染め上げた。
サングラス越しの紫がかった瞳が、好奇心に輝いた。
「そうだ。せっかくだから、あなたに身体を拭いてもらおうかな? ねぇ、私の服を脱がせてくれる?」
「御意」
「ふふっ、そんな堅苦しい言い方しなくても。それじゃあ、執事ごっこみたいじゃない?」
「そうですか」
コンラートは、淡々と答えると、彼の身体を拭くタオル類や湯の用意を素早く済ませ、彼の服に手をかけた。
小シマロンの白を基調とした華やかな軍服は、色素の薄いサラレギーによく似合っていた。けれど、その外見と中身がかけ離れていることが、コンラートにとっては不気味だった。
乾いた音を立てて、コンラートの脱がせた衣類が地面に滑り落ちる。白い布地一枚で身体の中心に巻かれていた下着(地球では、ふんどしともいう)は、はらはらと解かれて、所在なさげに、床に広がった。
魔族よりも白い、透き通るような肢体をあっさりと夕陽の中で晒した。サラレギーは船のゆったりとした揺れに合わせて小さなベッドに腰を下ろした。長い金髪が優雅にふわりと弧を描いた。そしてサングラスを外すと、コンラートに可愛らしく微笑んだ。
「あなたがどうしても、っていうなら、私のことを好きにしてもいいよ?」
サラレギーは、上目遣いにじっとコンラートを見上げた。長い睫毛に縁取られた金色の瞳を、思わせぶりにゆっくりと瞬いた。その金糸のような髪の掛かる白い頬は、仄かな朱色に染まる。
もし思い人がそのような行動をとったら、コンラートは冷静ではいられないだろう。けれど、コンラートにとってみれば、サラレギーは思い人を振り回す面倒な存在だった。油断のならない相手だ。
そのため、コンラートは硬い表情を崩さずに、視線を手元へと戻す。そして、黙々と手拭いを湯桶につけてから、水分を絞る。
「またご戯れを。失礼いたします」
コンラートは、サラの足元に片膝立ちをすると素肌を晒した小シマロン王の細い右腕を掴みあげた。そして、その白い素肌に、湯に浸かったタオルを事務的に滑らせていく。
「可愛くないな。つまらい。もっと、動揺してほしかったのに」
可憐な容姿とは不似合いに、サラレギーは小さく舌打ちをする。そろそろ、サラレギーがその本性を表したのだろうと、コンラートは心の中で苦笑する。
サラレギーは、コンラートに掴まれていた右腕を荒々しく振り払った。水分を含んだ湿った音を立てて、タオルが木目の床に落ちる。
すっかりと華奢な身体を晒した小シマロン王は、細い指先でコンラートの襟元を掴みあげた。先ほどまでの可憐さは、微塵も感じられない。高圧的に、サラレギーはコンラートを見下ろした。
「ねぇ、主人にだけ裸にさせるなんて、随分じゃない? 家来のくせに」
自分が身体を拭けと頼んだことなどは棚に上げて、少年王はきつい口調でコンラートに吐き捨てる。
「申し訳ありませんでした、サラレギー陛下」
それでも、まるで動じることもなく、コンラートは変わらず従者然として返事をする。高圧的な美少年は、もはや表情を取り繕うこともせずに、顔を歪ませた。
「あなたさ、ユーリといるときは随分と優しくて柔らかい顔をしているじゃない? もしかすると、私の今気になるひととあなたって、相思相愛なんじゃないかな? なんて、つまらない想いが浮かんできちゃうんだよね。あぁ、本当に面白くない」
ユーリという単語に、コンラートは反応する。微かに眉を上げて、サラの意図するところを掴もうとする。
けれど、サラはコンラートと目が合うといっそう忌々しげに舌打ちをして目を逸らした。ゆっくりとベッドから立ち上がると、さっさと衣服を纏い始めた。
そして、服を着終えると、柳眉を吊り上げて命令した。
「コンラート、何をぼんやりしているの? 早く服を脱いでくれる?」
サラレギーは、片膝立ちをしたままのコンラートの顎先を細い指で掴みあげた。長い爪が皮膚に食い込んで、コンラートは顔を顰める。コンラートのその表情をみると、サラは唐突に表情を緩めて華やかに微笑んだ。そして、大きな瞳を見開いた。
見開かれたサラの金色の瞳は、今やこの世のものとは思えないサファイアブルーに輝いた。
コンラートは、その瞳の光に囚われてしまった。
裏へつづきます。ヒント、右下、英語。
★あとがき★
コンラッドがいじめられすぎです><; サラの好感度下げまくりですみません。
このあと更にサラに(汗)いじめられる予定です。サラに操られるギュンギュンも登場予定です(汗)
言葉攻めとかをしながらの行為(汗)だと思います。。
呆れないで、付き合ってくださるとうれしいです^^;
ここからは、十八歳以上推奨です。
サラ+操られギュン×コンラッドに耐性のある方だけお願い致します。
「へぇ、流石。元眞魔国の剣豪だけはあるね? よく鍛え上げられてるよ」
簡素な船室に、小シマロン王とコンラートは二人きりで、何やらいかがわしい展開になっていた。
サラが碧い眼を開眼し、コンラートに服を脱ぐように命令した。その上、サラは、彼の身体の自由を拘束する術をかけていた。
「光栄です」
美少年にベッドの上で見下ろされながら、コンラートは変わらず従者らしく振舞おうとしていた。媚びることも、悪態をつくことさえなく、ただ平素のように。
「あなたって、爽やかな顔をしているけれど、実は結構可愛くないひとだね。でも、恥ずかしくないの? こんな年下の私に裸にされて、身体の自由を奪われてるんだよ? 自分がこれからどうされるかとか、まったく心配したりしないの?」
くすくすと甘い笑い声を立てながら、サラレギーはコンラートの身体にある無数の傷を撫で上げる。
それでも、表情を崩さないコンラートに、サラレギーは不満げに言い捨てる。
「いいよ。そんなにすました顔してくれちゃって。その方が、あなたの顔を歪ませる楽しみが沸くっていうものだから―― !」
「っ!」
唐突にサラレギーは、長い爪でコンラートの胸の尖りを引っ掻いた。その代償に、サラの爪が辿った後には、赤い鮮血がぷっくりと滲んだ。痛みの前に、平素を装うつもりのコンラートも、耐えられずに短い悲鳴を挙げた。
けれど、コンラートは苦痛を感じている姿を極力晒すまいと、歯を食いしばる。そんなコンラートを目を細めて見つめると、嗜虐に富んだ声で小シマロン王は囁いた。
「もっと啼いてもいいんだよ? 主人を喜ばせてよ?」
サラレギーの長いブロンドが、コンラートの身体に垂れ下がる。サラレギーは、自分より大きな肢体に跨ると、自分のつけた鮮血を、薄桃色の舌でねっとりと舐める。新しい傷口に、サラの舌の粘液が触れる。その刺激に、たまらずコンラートは身体を捩らせる。
「・・・っ」
「ふふ、ここ、胸の先。起ってきちゃったみたいだよ? 気持ちいいの? 家来のくせに、主人に奉仕させるなんて、従者失格だね」
平静を装う予定のコンラートも、ここまで小シマロン王が悪ふざけをするとは思っていなかったのだ。次第にサラの卑猥な言葉に、その白い頬に朱色が差す。体格的には、有利なはずのコンラートも、サラの法術の前には手も脚も出せない。
瞳を甘く細めると、サラは再びコンラートに命令を下す。再び、サラの瞳は色を変える。海の青より濃く、妖艶な光を帯びていた。
「ねぇ? コンラート、両脚を開いてみせて? 私の前に、はしたない格好を晒して」
「よ・・せっ。俺など構っても、あなたにとっては何の面白味もないでしょう!」
サラは、ゆっくりとコンラートの上から身体をどかす。そして、足元で可愛らしく小首を傾げるとにっこりと微笑んだ。
「ううん、とっても楽しいよ? 私の恋路の邪魔になるあなたが、戦線離脱してくれるかもしれないし」
「何のことを言って・・・・っ。あ、よせっ、・・っ」
コンラートが、抵抗するもむなしく、その脚はまるで自分とは別の意思を持ったように広げられていく。そのおぞましい感覚に、身体が戦慄し血の気が引いていく。その感覚に、コンラートはすっかり意識を翻弄されていた。気がつくとコンラートは、膝を高く曲げたまま両脚を広げていた。
コンラートは、自身のその卑猥な姿に、唇を噛み締めた。
サラレギーは、甘くてくすぐるような声とは裏腹に、暗く瞳を眇めてコンラートを見下ろした。
「ふふっ、とっても恥ずかしい格好だよ? 大シマロンの使者さん。ずっと年下の私の前で、よくもそんな格好ができるものだよね。あなたの可愛いユーリにもみせてあげたいくらい」
「何を言って!」
ユーリという単語を聞いて、コンラートは、血色を変える。そんなコンラートにサラレギーは、華やかに微笑む。けれど、その声はぞっとするほどに冷たい。
「やっぱり、あなたはユーリのことになると反応が違う。面白くないな。あなたも、ユーリが好きなんだ」
「サラレギー?」
コンラートは、サラの真意を確かめるように息を詰めて彼を見上げる。けれど、サラは不快そうに視線を逸らして、長い金髪を優雅に耳に掛けた。サラは、ベッドの正面においてある簡素な椅子に腰をかけると、脚を組む。そして腕を組んで、床を見つめたあと、サラは不意に顔を上げた。
「自分で、してみせてよ。その私の前に晒してるはしたないものを、自分で慰めてよ」
「・・・・・・?!」
サラレギーの瞳は、またあの人離れしたサファイアブルーに輝いていた。彼が神族として畏れられるのも納得がいく。その無感情で、透明な青い瞳に晒されていると、深海に引き摺りこまれて、生物として退化していくようだ。
コンラートは、再び身体に起るおぞましい感覚に戦慄した。決して腕を動かすものかと、歯を食いしばり意識を腕に集中させようと試みた。けれど、まるで腕の神経が途絶えてしまったように・・・・・腕が存在しないような恐怖を味わった。
目を見開いて、彼は自分の腕が為すことを見守ることしかできなかった。
コンラートがぎりぎりと奥歯を噛み締める音が、屈辱的に狭い船室に響く。
コンラートの腕は、そこだけが彼自身の神経が断絶されたように、第三者の意思によって動かされた。
その右手は、陰茎を包み込み、ゆっくりと摩擦をはじめる。左手は、その下の膨らみを優しく揉みしだく。
コンラートは、頬を上気させた。羞恥に顔を染めながら、きつく正面に座るサラレギーを睨みつけた。不覚にも、息が上がっていく。
「くっ、あははっ! 面白いよ、ウェラー卿? やっといい顔になってきたね。どう、自慰行為を他人に、それも小シマロン王に見せ付ける気分は?」
コンラートは、ぎりぎりと歯噛みが収まらない。サラは相変わらず、その無感情な青い瞳を眇めて、見下すようにコンラートの姿を捉える。いつのまにか外が暮れ始めたのだろう。
薄暗い紫がかった船室で、ぎらぎらと輝くその青い瞳は圧倒的な存在を見せ付けていた。
けれど、生理反応は残酷にもコンラートの身体に生じ始める。
自分の肉茎に纏わりつく自身の掌は、まるで感覚が無い。詰まるところ、正面で蔑むように見つめてくるサラレギー自身に、そこを弄られているような感覚だ。自分でそこを処理するときに触れる指使いとは、まるで違っていた。
おそらく、サラの頭に描いた通りに、コンラートの手は自身を慰め続けているのだ。
その不思議で淫靡な感覚に、すっかりとコンラート自身のものが硬く屹立していく。奥歯をきつく噛み締めることもままならなくなってきた。コンラートは、肩で息をして、濡れた唇からは悩ましげな吐息が漏れる。
その様子をにっこりと見つめるサラレギーの表情は、とても穏やかだ。その笑顔とは裏腹に、サラはコンラートの手を介していっそう彼の自慰行為をエスカレートさせていく。
「ん・・っ、ぁ、よ、せっ」
指先で先端を抉るように嬲り、同時に反対の手ではその上下に摩擦する速度を上げていく。耐えられなくなった透明の雫が、淫らに先端から零れ落ちる。その粘液のせいで、いっそう摩擦が滑らかになり、湿った卑猥な水音まで加わる。
何もかもを幼い美少年の前に晒す恥辱から逃れようと、コンラートはその顕わになった太股を閉じようと試みる。けれど、そこは僅かに頼りなく震えるだけで、いっそう卑猥な姿を晒すことになった。
そのコンラートの様子を目ざとく見つけたサラレギーは、嘲笑う。優雅に流れる金髪を細い指に巻きつけながら。
「あぁ、もう、大シマロンの使者さんがそんなに変態とは思わなかったよ。ねぇ、そんなに太股をふるわせるほど感じてるの? そこ、もうぐちゃぐちゃだし。それにしてもさ、随分と大きいね? 血管が浮き立ってるんじゃない? いいかげんしてほしいよ、私にそんなものを見せ付けないでくれる?」
かっと頭に血が上り、コンラートは、羞恥に震え上がる。それでも、肉欲に逆らえずに、いっそう甘く重い痺れが腰の奥深くで沸き起こり、激しい射精感に眩暈を覚える。
そのときだった。
気の遠くなるくらい、コンラートには、別世界のように感じた。
部屋のドアが微かにノックされて、静かに扉が開かれる音が聞こえた。
そして、耳に懐かしい声が聞こえた。けれど、その声はひどく狼狽していた。
「こ、こ、こ、こ、こー!!」
「もう、眞魔国には面白い人しかいないのかな? こ、こ、こ、こって鶏じゃないんだから、フォンクライスト卿?」
サラの口からその名前を聞いたとき、コンラートの目の前が暗くなった。この部屋を訪れたのは、眞魔国の十貴族のうちの一人だったのだ。それも、コンラートが士官学校時代に世話になった恩師でもあるフォンクライスト卿ギュンターだった。
騒々しい音を立てて、彼はコンラートの元へ走り寄る。
サラと色違いの綺麗で優雅な銀髪を振り乱して、ギュンターはベッドに沈む全裸のコンラートに跨るとその両肩を掴んだ。簡素なベッドは、成人男性二人の重みに耐えられずにぎしぎしと軋む。
「こ、こ、コンラートっ?! お、お止めなさいっ! な、なんと破廉恥なことをしているのですっ?!」
本来なら優しいはずの藤色の瞳を血走らせて、ギュンターはコンラートの行為を凝視した。ギュンターに肩を掴まれているにも関わらず、サラの術によってコンラートは自慰行為を抑えることができなかった。かつての士官、現眞魔国王佐の長身の下で、コンラートは変わらず痴態を晒していた。
大きく膝を立てつつ脚を広げ、その限界まで張り詰めたものを自らの手で、淫らに擦り続けていた。白い肌は、うっすらと櫻色に染まり、琥珀色の瞳は焦点が定まらない。うっすらと額に浮かんだ汗で、前髪がしっとりと湿る。
情けなさと惨めさに、コンラートは荒く浅い呼吸を繰り架しながら、重々しく目を伏せた。ギュンターに、自身がサラに操られていることが伝わればいいと願いながら。
「コンラート、手を、離しなさいっ!!」
けれど、品行方正なギュンターにとっては、コンラートの身に起きていることを憶測することよりもまず、その行為自体を止めさせることに意識が集中していたようだ。ギュンターは、摩擦を続けるコンラートの手に触れて、その摩擦運動を止めようと試みる。
「あっ、ンっ・・・・・ぅ」
けれど、操られる自身の手の動きはいっそう淫らに蠢きだしていた。正面の椅子に腰掛けるサラの鋭い眼差しを感じた。その上、ギュンターの手の感触も加わることで、猛ったそこはますます熱を持ち、たよりなく脈を打つ。
それどころか、かつての恩師の長く白い指にまで、自身の溢れ出した透明の雫が伝い落ちていく。その卑猥な映像に、背徳感を刺激されて、ますます妙な気持ちがせり上がる。
あまりに長く続く残酷で卑猥な責め苦に、コンラートの意思とは無関係に、口端から唾液さえ伝い落ちていく。
「こ、コンラート?! あなた、どうかしてしまったのですか?! ま、まさか?!」
ようやくギュンターが、コンラートの異常事態に気づきかけたときだった。ほっとコンラートが、胸を撫で下ろす間もなく唐突に、サラは椅子から立ち上った。彼はゆっくりとこちらに近づくと、ベッドサイドで立ち止まる。
「ねぇ、困ったひとでしょう? コンラートには、側近を務めてもらっているはずなのに、彼ってばこんな変態なことを始めてしまうんだもの。同郷のよしみで、何とかしてくださらない? フォンクライスト卿?」
サラが、その視線をギュンターに合わす気配を感じた。途端に、本能が危険を察知して、やっとのことでコンラートは、声を出した。卑猥な姿を晒しながらも、コンラートは懸命に叫んだ。
「ギュンター!!・・・・・・いけない、彼の眼を見ては、いけない!!」
「コン、ラート?」
けれど、時既に遅し―― その藤色の瞳は、サラレギーの強く青い瞳に囚われていた。
「せっかくだから、フォンクライスト卿? コンラートのお手伝いをして差し上げて」
ギュンターは、サラのほうからコンラートに視線を戻す。澄んだすみれ色の瞳の奥が、震えていた。
それでも、ギュンターはコンラートのせわしなく動く手に優しく自身の手を触れ合わせると、まるでリードするように上下に摩擦を始めた。絹糸のような銀髪が、コンラートの熱い素肌をくすぐった。
「ギュン、ター・・・・っ、ん、ぁ」
「すみませんっ、コンラート。手が勝手に、動いてしまうのです。あなたも、サラに操られていたのですね。あぁ、す、すみません。かつて教え子のあなたの自慰行為の手助けなどしてしまうなんてっ」
ギュンターは、サラに操られているとはいえ自分の常軌を逸した行為をひどく恥じているようだ。陶磁のように白い頬は、みるみる櫻色に染まる。藤色の瞳を縁取る長い睫毛は、頼りなく震えている。
「あなたは・・・っ、悪くない。気に・・っん、しないで・・・っ! んんっ」
ギュンターに気遣いを見せるものの、コンラートの身体は、すっかり熱く火照らされてその限界のときを迎えようとしていた。冷たくて角ばった麗人の手が、妖しく動き出す。
片手では、コンラートの手に沿ってその屹立したものを扱きたて、空いたほうの手では熱を帯びたコンラートの上半身を優しく撫でまわす。
サラは、自分が操る二人のやりとりを見て、暢気な声を出した。
「二人ともすごく絵になるよ。美形同士の絡みって、趣があって素敵だね」
コンラートも、ギュンターも小馬鹿にするようなサラのその台詞に、ベッドサイドにいるサラに視線を投げた。けれど、その二人の視線が気に入らなかったのだろう。
「何? 二人とも、照れ屋なんだから。それだけじゃ、物足りないんだね? そうだね、じゃあ、フォンクライスト卿がコンラートのを口で奉仕してあげて」
更なる命令を下されたギュンターは、その綺麗な顔を困惑させた。それでも、長い睫毛を伏せて整った顔をコンラートの中心へと寄せていく。
コンラートは、そのサラの度を越えた悪ふざけに、眩暈を覚えた。
自慰行為をしていたはずのコンラートの手は、その動きをとめた代わりに、サラの術で動きを拘束された。
「あ・・・、すみませんっ、コンラートっ。はしたない私を見ないで下さいっ―― !!」
「ンうっ!・・・・・・うっ」
耳まで真っ赤に染め上げて、今にも泣きそうな顔で羞恥に震えるギュンターは、サラに操られるままに硬く天を仰ぐコンラート自身を唇に覆った。ねっとりと絡む口内の粘液と、滑らかな舌使いに、コンラートの腰が痺れ、甘い疼きで満たされた。
「ねぇ? ウェラー卿? フォンクライスト卿はかつて士官学校で、あなたの指導士官だったんでしょ? どう? 先生に舐めてもらった感想は? コンラート君? あははっ」
鈴が転がるような可憐な声で、サラレギーは二人を愚弄する。けれど、もはやギュンターもコンラートも彼を気に掛けているだけの余裕がない。
コンラートは、想像もつかなかった相手から、それもかつての恩師からそんなことを受けている現実に、背徳感が刺激されて、捻れた劣情に身体が狂ったように熱くなる。
「す、みま、せ・・んむっ、コンラー、ト・・・」
「んあぁっ、いいですから、気にしない、で・・・んんっ、ぅ!」
形のいい唇をコンラートの形状に沿わせて、吸い上げる最中にも、ギュンターは申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする。
けれど、それによって行為がひとたび中断される歯がゆさを味わうことになる。また、一瞬にして現実に戻されるたびに湧き上がる背徳感に、コンラートは逃げられないところまで甘い疼きに追い詰められていく。
室内には、ふざけたように二人を操り続けるサラレギーの嘲笑する声と、ギュンターの口端から零れる切なげな吐息に湿った水音、コンラートの苦しそうな喘ぎ声だけが、単調に続いていた。
激しさを増すフォンクライスト卿の、絡みつくような熱い口内の粘膜に、いつしかコンラートの腰は無意識に妖しく動いてしまう。膨れ上がる快感に、抑えきれずに、とうとうコンラートの瞼の裏に閃光が走った。
「ギュンター、んぁっ、すみません。もう・・・・・ぅ、ああっ!!」
「!!」
コンラートが眼を開けたときにはもう、ギュンターの薄い唇付近には、白濁色の液体が掛かっていた。茫然自失のコンラートは、髪を上から引っ張られ、ベッドサイドに佇むサラの方を向かされた。サラの瞳は、変わらず何も映していないような深海の闇色を湛えていた。
「ふふっ、駄目じゃない? コンラート。フォンクライスト卿の顔に、体液が掛かってるよ? ちゃんと舐めてあげてよ?」
「―― !!」
コンラートは、その瞳に囚われたまま、ベッドに座り混んだままのギュンターに縋りつく。そして、面長の端整な顔に指を掛けると、そっと自身の顔を近づける。その形のいい櫻色の唇の周りを、舌でゆっくりと辿り、その淵についた自身の体液を丁寧に拭い取る。
「・・・っぁ」
薄く喘いだギュンターの唇を合図に、コンラートは舌を差し入れて口内に残る自身の苦味のあるそれを掬い取っていく。互いに、腰や髪のうしろに手を回し、その行為がしやすいように、自然に顔の角度をずらし合う。
そのたびに、穏やかで艶やかな互いの切ない声が漏れる。何度も、その口内を清めるように、コンラートは丁寧に優しく舌を転がす。互いの口内に、相手の唾液が溢れ、淫らに唇から透明の雫を垂らすころ、ゆっくりと、コンラートの唇がギュンターの唇から離されていく。互いの舌が名残惜しそうに糸を引きながら。
二人は狭いベッドの上で、互いを労わるように抱き締めながら、呆然と座り込む。
「あぁ、すごく綺麗だったよ。魔族同士の絡みも捨てたものじゃないね? もっとすごいの、見てみたいな」
金髪をふわりと漂わせると、サラはギュンターの元へ近づく。そして、彼の顎に細い指を掛ける。
「フォンクライスト卿、コンラートを恋人だと思って抱いてごらん?」
サラは、いたずらな笑みを浮かべて、春風のような穏やかな声で囁いた。金色の瞳は、みるみるサファイアブルーの輝きを放った。
「恋人?・・・・・・好きな、ひと・・・・・? そ、そ、そんな畏れ多いっ、ぶ、ぶぶほぉっ!!」
コンラートの視界に、真紅の海が広がった。ギュンターの汁(赤色)だった。
コンラートは、苦笑した。
―― ギュンターの陛下を想う気持ちが、サラの法術さえ破るなんてね。
遠くで、幼い可愛らしい少女の声がした。
「コンラッド? おはよう? 朝だよ」
目を覚ますとそこには、白い朝陽に照らされるユーリの愛娘がいた。彼女は、何やらとても晴れ晴れとした顔をしていた。
俺は、何事かと思い、部屋を見渡す。そこは、血盟城の一室、俺の部屋だった。
今までの出来事が夢でよかった、と心から安堵のため息をついた。
待てよ? 前にもこんなことがあったような気がする。確か、ユーリにアニシナ作のピンクな夢が見られるというピンクの枕にすり返られていたせいで、アーダルべルトと・・・・・・思い出しかけた自分を悔やんだ。
奇妙な既視感を覚えて、咄嗟に起き上がり、枕を掴んだ。
一見ふつうの枕だった。けれど、何やらおかしい。二重にカバーがつけられている。そして、そのカバーを取ると・・・・・・ピンク色だった。そういうことだったのか・・・・・・。
けれど、目の前の少女はとても期待に満ちた瞳でこちらを見上げてくる。きっと、ピンク色の枕の誤った情報を信じているのだろう。それに、グレタはフォンカーベルニコフ卿を崇拝しているようだし。
「ユーリがね、ピンク色の枕は、大人のひとが使うと、とても幸せな夢が見れるっていうんだ。だからね、実はコンラッドが警備から帰ってくるまえに、こっそりアニシナのピンクの枕に摩り替えたの。魔力の弱い人でも見られる改良版のピンク枕だよ。ちゃんとカバーまでつけて、全然気づかなかったでしょ? 私って、罠女の才能あるかな? えへへ」
無邪気に、嬉しそうに微笑むグレタに、とんでもない夢を見させられたことなどは、到底言えない。
「そうですね。でも、グレタには、罠女より可愛いお嫁さんのほうが似合うかな?」
ぽんぽんと頭を撫でて、優しく微笑んであげた。すると、グレタはむきになって叫んだ。
「だめっ! 可愛いお嫁さんの役は、ユーリでしょ?」
「・・・・・・」
そ、それは、誰のお嫁さんという意味でしょうか? コンラートは、胸の中だけで呟いた。
流石のコンラートの爽やか2枚目スマイルも、罠女には敵わなかった。
★あとがき★
またしても、夢落ちですみません。当分、このシリーズで、妄想できそう(汗)
そして、なんだか、裏が中途半端でごめんなさい。なんだか、上手く書けなくて・・・途中で挫折しました。><;というか、力尽きました・・・・・・。
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