2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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第十五話 グウェンダルとファミレス??
※今回は、グウェユな感じです。ギャグっぽい感じです。
今日一日で、俺は違う男から2人にもキスをされた。
俺って、今、もて期かも。って、そうじゃなくて!!
どうやら、この世界では、俺はいつものメンバーからかなり好かれているらしい。いや、普通の好きじゃなくて、恋愛感情ありの好きって意味で。しかも、皆さん積極的で・・・・。
でも、コンラッドはなんか・・・・急に冷たくなったんだけど。
昼休みも、コンラッドはジュリアさんと過ごしていたみたいだし。
あ、また、コンラッドのことを考えると胸がもやもやした。
なんか、俺って結構女々しい性格だったのかな?
放課後、突然の雨に降られた。春の気まぐれな乙女心のような空に、振り回された俺は、傘など用意しているわけもなく、雨に振られて帰る決心をした。
しとやかに、垂れる雨。じわじわと、俺の髪に、服に水分が浸透していく。
学校を出て、しばらく歩いていると、一台の車がスピードを落として俺の横に止まる。
元々は、軍事用車両として開発された、クライスラーのジープだった。
黒光りのする大きくて、いかめしい車体。
運転席のウィンドウが開けられる。
う、怖い人が出てきたらどうしよう。
身構える俺の前に、出てきた顔は確かに怖い顔をしていた。眉間に深くしわが刻まれていた。けれども、とてもよく知った顔だった。
思わずほっとして、彼の名前を呼ぶ。
「グ、グウェンダル~~、なんだぁ、こんないかつい車だし、怖い人が出てくるかと思ってひやひやしてたよ!!」
少し困った顔をして俺に謝るグウェンダル。
「すまない、お前を怖がらせようと思って近づいたわけではない」
「ん?何か用ですか?グウェンダル先生?」
不思議に思ってグウェンダルにたずねる。
俺から視線を逸らすとぶっきらぼうに言い放つグウェンダル。
「だから、その、なんだ。こんな雨の中、風邪を引いたらいかんだろ」
そっか、グウェンダル心配してくれてるんだ。
「ありがとう、グウェンダル。俺のことを心配してくれて」
にこり、と彼に微笑むと、彼は少し赤くなって俺を怒鳴る。
「いいから!そんな雨の中いつまでも、突っ立っているな、早く乗れ!」
俺は、彼の怒声に驚いて、慌てて助手席に乗り込む。
「ご、ごめんって、グウェンダル~」
俺は、情けない声をだしてグウェンダルの様子を伺う。もう、さほど怒ってはいないようで俺は安堵の息をもらす。
落ち着いた俺は車内を見渡す。とても、広い車内。シートにはブラックレザーが張られてシックで大人びた雰囲気。助手席側が緩やかに湾曲したダッシュボード。デザインも近代的でお洒落だ。
「グウェンダル、かっこいい車だね!!軍用車みたいに大きくていかつくて!内装も綺麗だし!!」
「そ、そうか」
俺が、車のことを褒めるとグウェンダルはとても気を良くしたみたいだった。口数こそ少なかったけれども。
いつもの眉間のしわがとれて、口角が上にあがる。とても優しい笑顔だった。
あまりにもいい笑顔だったので、俺は彼に思ったことを口にする。
「グウェンダルの笑顔ってなんかいいよね。いつもは、こうむっすりと怒った感じだけど、突然、にこりと笑われると、暖かい気持ちになれるよ」
「な、一生徒の分際で何をおかしなことを言っている!」
再び、彼は怒声を俺に浴びせる。
驚いた俺は、小さくなって謝る。
「ご、ごめんなさい、グウェンダル先生」
グウェンダルは、慌てて訂正する。
「す、すまない。その、それほど不愉快に思ったわけではないのだ。いや、むしろ、・・・・・嬉しい部類に入るかもしれん」
最後のほうは、声が小さくていまいち聞き取れなかったけど、グウェンダルがそんなに怒っていないことがわかると俺は、ほっとした。
ぐぅ~。
突如、車内に間の抜けた音が響き渡る。なんと、俺の情けない腹の虫の音だった。
「くっ・・・・あははは」
珍しく、グウェンダルが豪快に笑った。
うん、やっぱりグウェンダルは笑ってるほうがいいや。なんか、安心する。
「どうした、お前、腹が減ったのか?」
少し、顔を染めて俺に尋ねるグウェンダル。
「よかったら、何か食べに行くか?」
「え?いいの?すごい嬉しいよ!今日は出前で済まそうと思ってたところだったし」
満面の笑みで応える俺。
行き着いた先は、ファミレスだった。グウェンダルとファミレス。その不釣合いな組み合わせに呆気にとられる。
「実は、前からファミレスとやらに行ってみたかったのだ」
グウェンダルは、眼を輝かせてエントランスをくぐる。
へぇ、そうっだのか。そういえば、グウェンは可愛い物好きだったもんな。ファミレスって、なんかちょっとかわいい感じするもんな。
そこかしこに飾ってあるファミレスのマスコットキャラクターを見て、うっとりしたような表情になるグウェンダル。
なんか、グウェンダルって面白すぎないか?
思わず俺が笑みをこぼすと、彼は怪訝な顔で俺を見つめる。
「どうした?」
「ううん、な、なんでもないよ」
正直に答えるとまた怒られそうだったので、俺は適当にごまかす。
「なんだ、おかしい奴だな。それより、お前はこれを頼むんだ、いいな?」
そう言うグウェンダルが指した先には、『お子様ランチ』が載っている。
「あの~、グウェンダル先生?俺は一応16歳の男子なのでそれは非常に頼みづらいかと思われます」
俺が、グウェンダルに苦言を呈する。
しかし、彼は、眉間のしわをいっそう深く刻ませて俺に凄む。
「お前は、先生の頼みは聞けないというのだな?」
その迫力に押されるように俺は、結局、『お子様ランチ』を頼んだ。案の定、アルバイトの女の子に、くすっと笑われた。
グウェンダルは、涼しい顔をして『しょうが焼き定食』を頼んでいたけど。
俺の『お子様ランチ』が来ると、グウェンダルは、早速俺に食べるように促す。
「どうした、冷めないうちに食べろ」
お山の形のケチャップライス。その上には、日本の国旗が可愛く立てられている。たこさんウィンナーに、エビフライ、ハートの形のハンバーグ。にんじんは、ウサギと猫の形にくりぬかれている。
「い、いただきま~す」
顔を引きつらせて食べる俺。
「美味しいか?」
眼を輝かせて、俺に尋ねるグウェンダル。
「う、うん」
俺は引きつった笑いをグウェンダルに向ける。
「そうか、よかったな。いっぱいいい子で食べるんだぞ」
微笑んで、俺の頭をぐりぐりと撫で回すグウェンダル。
あぁ、なんかグウェンダルがお父さんみたいになってるよ。
俺、なんか幼稚園児くらいに戻った気がするよ~。
いったい、俺をどうしたいんだよ、グウェンダル~。
父親のような眼差しで、俺を見つめるグウェンダルに、愛想笑いをしながら俺の夕食時間は過ぎていった。
第十五話 =完
※今回は、グウェユな感じです。ギャグっぽい感じです。
今日一日で、俺は違う男から2人にもキスをされた。
俺って、今、もて期かも。って、そうじゃなくて!!
どうやら、この世界では、俺はいつものメンバーからかなり好かれているらしい。いや、普通の好きじゃなくて、恋愛感情ありの好きって意味で。しかも、皆さん積極的で・・・・。
でも、コンラッドはなんか・・・・急に冷たくなったんだけど。
昼休みも、コンラッドはジュリアさんと過ごしていたみたいだし。
あ、また、コンラッドのことを考えると胸がもやもやした。
なんか、俺って結構女々しい性格だったのかな?
放課後、突然の雨に降られた。春の気まぐれな乙女心のような空に、振り回された俺は、傘など用意しているわけもなく、雨に振られて帰る決心をした。
しとやかに、垂れる雨。じわじわと、俺の髪に、服に水分が浸透していく。
学校を出て、しばらく歩いていると、一台の車がスピードを落として俺の横に止まる。
元々は、軍事用車両として開発された、クライスラーのジープだった。
黒光りのする大きくて、いかめしい車体。
運転席のウィンドウが開けられる。
う、怖い人が出てきたらどうしよう。
身構える俺の前に、出てきた顔は確かに怖い顔をしていた。眉間に深くしわが刻まれていた。けれども、とてもよく知った顔だった。
思わずほっとして、彼の名前を呼ぶ。
「グ、グウェンダル~~、なんだぁ、こんないかつい車だし、怖い人が出てくるかと思ってひやひやしてたよ!!」
少し困った顔をして俺に謝るグウェンダル。
「すまない、お前を怖がらせようと思って近づいたわけではない」
「ん?何か用ですか?グウェンダル先生?」
不思議に思ってグウェンダルにたずねる。
俺から視線を逸らすとぶっきらぼうに言い放つグウェンダル。
「だから、その、なんだ。こんな雨の中、風邪を引いたらいかんだろ」
そっか、グウェンダル心配してくれてるんだ。
「ありがとう、グウェンダル。俺のことを心配してくれて」
にこり、と彼に微笑むと、彼は少し赤くなって俺を怒鳴る。
「いいから!そんな雨の中いつまでも、突っ立っているな、早く乗れ!」
俺は、彼の怒声に驚いて、慌てて助手席に乗り込む。
「ご、ごめんって、グウェンダル~」
俺は、情けない声をだしてグウェンダルの様子を伺う。もう、さほど怒ってはいないようで俺は安堵の息をもらす。
落ち着いた俺は車内を見渡す。とても、広い車内。シートにはブラックレザーが張られてシックで大人びた雰囲気。助手席側が緩やかに湾曲したダッシュボード。デザインも近代的でお洒落だ。
「グウェンダル、かっこいい車だね!!軍用車みたいに大きくていかつくて!内装も綺麗だし!!」
「そ、そうか」
俺が、車のことを褒めるとグウェンダルはとても気を良くしたみたいだった。口数こそ少なかったけれども。
いつもの眉間のしわがとれて、口角が上にあがる。とても優しい笑顔だった。
あまりにもいい笑顔だったので、俺は彼に思ったことを口にする。
「グウェンダルの笑顔ってなんかいいよね。いつもは、こうむっすりと怒った感じだけど、突然、にこりと笑われると、暖かい気持ちになれるよ」
「な、一生徒の分際で何をおかしなことを言っている!」
再び、彼は怒声を俺に浴びせる。
驚いた俺は、小さくなって謝る。
「ご、ごめんなさい、グウェンダル先生」
グウェンダルは、慌てて訂正する。
「す、すまない。その、それほど不愉快に思ったわけではないのだ。いや、むしろ、・・・・・嬉しい部類に入るかもしれん」
最後のほうは、声が小さくていまいち聞き取れなかったけど、グウェンダルがそんなに怒っていないことがわかると俺は、ほっとした。
ぐぅ~。
突如、車内に間の抜けた音が響き渡る。なんと、俺の情けない腹の虫の音だった。
「くっ・・・・あははは」
珍しく、グウェンダルが豪快に笑った。
うん、やっぱりグウェンダルは笑ってるほうがいいや。なんか、安心する。
「どうした、お前、腹が減ったのか?」
少し、顔を染めて俺に尋ねるグウェンダル。
「よかったら、何か食べに行くか?」
「え?いいの?すごい嬉しいよ!今日は出前で済まそうと思ってたところだったし」
満面の笑みで応える俺。
行き着いた先は、ファミレスだった。グウェンダルとファミレス。その不釣合いな組み合わせに呆気にとられる。
「実は、前からファミレスとやらに行ってみたかったのだ」
グウェンダルは、眼を輝かせてエントランスをくぐる。
へぇ、そうっだのか。そういえば、グウェンは可愛い物好きだったもんな。ファミレスって、なんかちょっとかわいい感じするもんな。
そこかしこに飾ってあるファミレスのマスコットキャラクターを見て、うっとりしたような表情になるグウェンダル。
なんか、グウェンダルって面白すぎないか?
思わず俺が笑みをこぼすと、彼は怪訝な顔で俺を見つめる。
「どうした?」
「ううん、な、なんでもないよ」
正直に答えるとまた怒られそうだったので、俺は適当にごまかす。
「なんだ、おかしい奴だな。それより、お前はこれを頼むんだ、いいな?」
そう言うグウェンダルが指した先には、『お子様ランチ』が載っている。
「あの~、グウェンダル先生?俺は一応16歳の男子なのでそれは非常に頼みづらいかと思われます」
俺が、グウェンダルに苦言を呈する。
しかし、彼は、眉間のしわをいっそう深く刻ませて俺に凄む。
「お前は、先生の頼みは聞けないというのだな?」
その迫力に押されるように俺は、結局、『お子様ランチ』を頼んだ。案の定、アルバイトの女の子に、くすっと笑われた。
グウェンダルは、涼しい顔をして『しょうが焼き定食』を頼んでいたけど。
俺の『お子様ランチ』が来ると、グウェンダルは、早速俺に食べるように促す。
「どうした、冷めないうちに食べろ」
お山の形のケチャップライス。その上には、日本の国旗が可愛く立てられている。たこさんウィンナーに、エビフライ、ハートの形のハンバーグ。にんじんは、ウサギと猫の形にくりぬかれている。
「い、いただきま~す」
顔を引きつらせて食べる俺。
「美味しいか?」
眼を輝かせて、俺に尋ねるグウェンダル。
「う、うん」
俺は引きつった笑いをグウェンダルに向ける。
「そうか、よかったな。いっぱいいい子で食べるんだぞ」
微笑んで、俺の頭をぐりぐりと撫で回すグウェンダル。
あぁ、なんかグウェンダルがお父さんみたいになってるよ。
俺、なんか幼稚園児くらいに戻った気がするよ~。
いったい、俺をどうしたいんだよ、グウェンダル~。
父親のような眼差しで、俺を見つめるグウェンダルに、愛想笑いをしながら俺の夕食時間は過ぎていった。
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