2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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ショートストーリー第十八編 ~Trick or Treat ! ~
※微エロ注意なコンユです。二人は未だ健全な関係という設定です。
散々既出と思われる(汗)ハロウィンネタなコンユですが、どうぞ~。
コンラッドは、外見もいいし、声もいい。おまけに腕も立つし、過去に影がある、いい男オーラ全開、な奴だ。
だけど、だけど、俺は知っている。案外、いや、規格外にギャクのセンスが寒いことを―― !!
きっと、これも、その一環のギャグか何かにちがいない!!!
日本時間で、確か今日は10月31日だ。地球では、(主に欧米では)ハロウィンの日らしかった。けれど、ここ眞魔国では特にそれといったお祝いもしなかった。
別に、西洋かぶれしてない俺は、特にハロウィンを待ち焦がれてはいなかったんだけど・・・・・・。
やたらに豪奢な天蓋つきのベッドに、身を沈めていると、控えめなノックが聞こえた。返事をすると何やら招かれざる客が入ってきた・・・・にちがいない。
だって、その人は、闇に紛れる真っ黒のマントに身を包んでいるのだから。それも、首が隠れるくらいにそびえたったそのたて襟は、月灯りの中でも印象的な、いわゆるドラキュラみたいなマントだから。
けれど、薄暗い中でも、なぜかそれが誰か分かる。
俺は、名付け親症候群なのかもしれない。
その人物は、ドラキュラのコスチュームプレイ、いわゆるコスプレをしたコンラッドだった。
きっと、彼は俺を笑わせようとしているんだよな?!今日がハロウィンだから、アメリカ滞在経験のある彼は、俺にお祭り気分を味わって欲しいんだよな?ただのレイヤーじゃないよな?!
こんな夜中に、警備の合間を縫って・・・・・・その、コスプレまでして俺の寝室に来てくれるんだから。
まったく、親ばかなのか、ずれてるのか、何なのか・・・・・・。
でも、しょうがない。こ、これは、彼に敬意を表して、一芝居にのってやるか。うんうん、なんか、面白そうだよ!でも、ハロウィンってそもそもどんなお祭りだったっけ?!
ふいに、影が覆った。
いつのまにか、ドラキュラ風コンラッドが、俺のベッドサイドまで来ていた。そして、彼は、自然な動作で俺の顔の両サイドに手をついて、上から俺を見下ろした。
何でこう自然に、相手との距離を詰められるんだろう。同じ男として、これは、大いに学ばなくてはいけない、メモメモと。
それにしたって・・・・・・。
重力にしたがって、彼のサラサラの短い髪は垂れ、銀の星を散りばめた瞳は、甘く細められて、端整な唇は少し悪戯に口角を上に上げている。
それも、中世風の白いブラウスに、耽美な黒いマントを羽織った、いけないドラキュラ風いい男だ。そんな彼が、月光に照らされて妖しく微笑んでいるのだ。
き、キザーー!
こんなん女子だったら、完全にノックアウトだろ?!むしろ、私の血を捧げます、みたいな?!
だって、まっとうな高校生男子の俺だって、不覚にも顔が赤くなるんだから。
''Trick or Treat !''
唐突に、俺の耳にネイティブなイングリッシュが響いた。それも、腰にくる甘い声の。
そうだよ、コンラッドは英語がぺらぺらなんだよな~。
それにしても、甘い、甘い!なんて、甘い声出してるんだよ。これは、ドラキュラでいうところの超音波か何かですか?!
ああっと、そうじゃなくて、何か返事をしないといけないんだよな?
コンラッドのお祭りに、のっかってあげないと。
トリックかトリートか、どっちかを選ばないといけないんだな。トリートって何だよ?
トリックって、なんかマジックみたいなもののことだよな?
お祭りだし、きっとこっちが正解だろ?
「え、ええっと、と、トリック・・・・?かな」
ふいに、コンラッドの目が甘く細められた。唇は、少し意地悪に歪められる。
なんて顔してるんだよ、コンラッドのばか!
ってか、俺、答えるの間違った?!
「はい、ユーリ」
いつもは、陛下っていうくせに、なんだかやたらに耳が融けそうな声で名前を呼ばれて、身体がかっと熱をもった。
「こ、こ、コンラッド?!」
彼は、ベッドを軋ませて、俺の上に跨った。漆黒のベロア素材のマントが、優雅に垂れる。彼の夜気に触れて冷たい指が、俺のパジャマのボタンを一つ、二つ・・・・・・と器用に外していく。
ちょっと、待って?!これって、これって、男女間の営みでは~?!
「ちょっと、たんま~!! な、なんで、コンラッドってば俺の服を脱がせてるの?!」
俺は、目を白黒させて、彼の大きな掌を両手で掴んだ。
「だって、ユーリが希望しましたから」
「ええっ、俺がいつ?!」
「Trick,つまり、いたずら、を望んだばかりじゃないですか」
そういうと、コンラッドは悪戯に左目を閉じた。いや、コンラッドがやると嫌味なくカッコいいけれど・・・・・・って、そうじゃないよ。
俺が、さっきトリックかトリートかって聞かれて、トリックって答えたから、悪戯するってわけなの?ああ、そうなのか、なんだ、そうか・・・・・・って、そんなん納得できるか~??
「ひっぁ、あ、コンラッド・・・・?」
突然、首筋に冷たくて柔らかいものが押し付けられて、思わず変な声を上げて、身体を捩ってしまった。どうやら、彼に首筋にキスをされたらしい。さながら、ドラキュラみたいに、首筋に・・・・・き、キス・・・?!
俺は、羞恥で身体中から湯気が出そうだった。
俺の顔を覗きこむと、彼は、甘く瞳を細めた。
「ユーリ?ハロウィンでは、『いたずらされたい?それともお菓子でおもてなしをしておく?』って聞くんですよ。それが、''Trick or Treat'' なんですよ。でも、ユーリがいたずらを希望するのなら、仕方ありませんね」
「ちょ、ちょっと、おれ、意味しらなかったしって、あっ、や、だめっ・・・・・!」
コンラッドは、再び俺の首筋に軽く歯を立てて甘く噛んだ。
全身が、ぞくりと甘く痺れた。
そんな自分に、ひどい違和感を感じた。コンラッドは、俺の名付親だし、護衛もしてくれてる頼れる奴なのに。
それなのに、俺、こんなことされるのに、男同士なんて絶対いやって思ってたのに、どうして、どうして、嫌・・・・・じゃないんだ。
俺・・・・・どうかしてる。そんなこと、変、だよ。
「んんっ、ぁ、コン、ラッド・・・・・・」
けれど、俺に考える余裕がなくなった。コンラッドの冷たい唇が、鎖骨をうっすらと撫でて、俺の薄い胸板をゆっくりと辿っていった。
冷たくて、長い指が優しく俺の脇腹を撫でていく。
気持ちよくて、ぞくっとするほど甘くて、おかしな気持ちになりかけた。
「はい、おしまい」
唐突に、彼の指も唇も、身体から離れていった。その顔を見上げると、いつもの爽やかスマイルだった。ドラキュラ風ファッションだけど。
「少し悪戯が過ぎましたね。ハロウィン気分は楽しんでいただけましたか?」
たて襟のマントを羽織る、ドラキュラ風コンラッドはそっと優しく微笑んでくれた。そう、いつもみたいに。
なんだか、ひとりだけ心を取り乱していたことが、ひどく恥ずかしく思えて強がった。なるべく平静を装って、答えた。
「うん! まさかドラキュラの格好までしてくれるなんて、驚いたよ。それに、まさか、コンラッドに悪戯されちゃんなんてな! あはは」
本当は、気が気じゃなかった。
コンラッドが、冗談のつもりだったとはいえあんなことをしてくるなんて。
それに、自分が、それを全く嫌と思わなかったし、それどころか、感じてしまったなんて・・・・・・信じられなくて。
だから、絶対にコンラッドには、気づいて欲しくなかった。俺が、こんなに動揺していることを。
だって、コンラッドは、俺を楽しませたかっただけっていうか、本当にただの冗談だったんだから。
俺が、こんなに動揺したら、コンラッドは、かえって引くに決まってる。
だから、いつもの俺らしくなく、必死にポーカーフェイスを装った。
絶対に、絶対に、コンラッドには俺が動揺したってことは気づかれていないはずだ。
「ユーリは、俺がこういうことをしても、冗談として受け取ってしまえるんですね」
「コンラッド?」
コンラッドの声が、憂いを秘めている気がしてはっとした。
けれど、俺が顔を上げると、そこにはいつものコンラッドがいて、月明かりを跳ね返すほど爽やかに微笑まれた。
いつもの、大好きな、名付け親の笑顔なのに。
どうして、こんなに胸が痛むんだよ。
こんなに、優しく微笑んでくれてるっていうのに。
「それでは、おやすみなさい、陛下」
穏やかで、癖のない美声で彼は告げた。眞魔国で一番頼りにしてる彼の声だ。
胸がぐちゃぐちゃにかき乱されて、何かが俺を揺り動かそうとしてた。
それでも、その一線を踏み越える勇気がもてなかった。
「・・・・・・陛下、いうなよ。名付け親」
不自然なほどに、長い沈黙をあけてしまった。けれど、彼に言い返したのは、いつもの台詞。
頼りにしてるコンラッドと戯れるだけの味気ない台詞。それしか、いえなかった。
「そうでした、ユーリ」
いつものように、彼はそう言い返した。その表情は、月が雲に覆われたせいで、よく見えなかった。
踵を返す彼の姿を見ながら、心の中で言った。
―― ゴメン、コンラッド。俺、とんでもないことに気づいたんだ。
俺、あんたのこと・・・・・・好き、だ。
★あとがき★
二人は好きあっているのに、すれ違ってしまう、そんな秋らしい?切ないSS?になったような、ならないような(汗
あの二人なら、すれ違いとかありえそう。でも、ユーリさえその思いに気づいたら、すぐに両思いになってしまいそう^^
ちょっと無理やりなハロウィンネタでした。
読んでくださってありがとうでした^^
拍手下さった方、ありがとうございました^^
※微エロ注意なコンユです。二人は未だ健全な関係という設定です。
散々既出と思われる(汗)ハロウィンネタなコンユですが、どうぞ~。
コンラッドは、外見もいいし、声もいい。おまけに腕も立つし、過去に影がある、いい男オーラ全開、な奴だ。
だけど、だけど、俺は知っている。案外、いや、規格外にギャクのセンスが寒いことを―― !!
きっと、これも、その一環のギャグか何かにちがいない!!!
日本時間で、確か今日は10月31日だ。地球では、(主に欧米では)ハロウィンの日らしかった。けれど、ここ眞魔国では特にそれといったお祝いもしなかった。
別に、西洋かぶれしてない俺は、特にハロウィンを待ち焦がれてはいなかったんだけど・・・・・・。
やたらに豪奢な天蓋つきのベッドに、身を沈めていると、控えめなノックが聞こえた。返事をすると何やら招かれざる客が入ってきた・・・・にちがいない。
だって、その人は、闇に紛れる真っ黒のマントに身を包んでいるのだから。それも、首が隠れるくらいにそびえたったそのたて襟は、月灯りの中でも印象的な、いわゆるドラキュラみたいなマントだから。
けれど、薄暗い中でも、なぜかそれが誰か分かる。
俺は、名付け親症候群なのかもしれない。
その人物は、ドラキュラのコスチュームプレイ、いわゆるコスプレをしたコンラッドだった。
きっと、彼は俺を笑わせようとしているんだよな?!今日がハロウィンだから、アメリカ滞在経験のある彼は、俺にお祭り気分を味わって欲しいんだよな?ただのレイヤーじゃないよな?!
こんな夜中に、警備の合間を縫って・・・・・・その、コスプレまでして俺の寝室に来てくれるんだから。
まったく、親ばかなのか、ずれてるのか、何なのか・・・・・・。
でも、しょうがない。こ、これは、彼に敬意を表して、一芝居にのってやるか。うんうん、なんか、面白そうだよ!でも、ハロウィンってそもそもどんなお祭りだったっけ?!
ふいに、影が覆った。
いつのまにか、ドラキュラ風コンラッドが、俺のベッドサイドまで来ていた。そして、彼は、自然な動作で俺の顔の両サイドに手をついて、上から俺を見下ろした。
何でこう自然に、相手との距離を詰められるんだろう。同じ男として、これは、大いに学ばなくてはいけない、メモメモと。
それにしたって・・・・・・。
重力にしたがって、彼のサラサラの短い髪は垂れ、銀の星を散りばめた瞳は、甘く細められて、端整な唇は少し悪戯に口角を上に上げている。
それも、中世風の白いブラウスに、耽美な黒いマントを羽織った、いけないドラキュラ風いい男だ。そんな彼が、月光に照らされて妖しく微笑んでいるのだ。
き、キザーー!
こんなん女子だったら、完全にノックアウトだろ?!むしろ、私の血を捧げます、みたいな?!
だって、まっとうな高校生男子の俺だって、不覚にも顔が赤くなるんだから。
''Trick or Treat !''
唐突に、俺の耳にネイティブなイングリッシュが響いた。それも、腰にくる甘い声の。
そうだよ、コンラッドは英語がぺらぺらなんだよな~。
それにしても、甘い、甘い!なんて、甘い声出してるんだよ。これは、ドラキュラでいうところの超音波か何かですか?!
ああっと、そうじゃなくて、何か返事をしないといけないんだよな?
コンラッドのお祭りに、のっかってあげないと。
トリックかトリートか、どっちかを選ばないといけないんだな。トリートって何だよ?
トリックって、なんかマジックみたいなもののことだよな?
お祭りだし、きっとこっちが正解だろ?
「え、ええっと、と、トリック・・・・?かな」
ふいに、コンラッドの目が甘く細められた。唇は、少し意地悪に歪められる。
なんて顔してるんだよ、コンラッドのばか!
ってか、俺、答えるの間違った?!
「はい、ユーリ」
いつもは、陛下っていうくせに、なんだかやたらに耳が融けそうな声で名前を呼ばれて、身体がかっと熱をもった。
「こ、こ、コンラッド?!」
彼は、ベッドを軋ませて、俺の上に跨った。漆黒のベロア素材のマントが、優雅に垂れる。彼の夜気に触れて冷たい指が、俺のパジャマのボタンを一つ、二つ・・・・・・と器用に外していく。
ちょっと、待って?!これって、これって、男女間の営みでは~?!
「ちょっと、たんま~!! な、なんで、コンラッドってば俺の服を脱がせてるの?!」
俺は、目を白黒させて、彼の大きな掌を両手で掴んだ。
「だって、ユーリが希望しましたから」
「ええっ、俺がいつ?!」
「Trick,つまり、いたずら、を望んだばかりじゃないですか」
そういうと、コンラッドは悪戯に左目を閉じた。いや、コンラッドがやると嫌味なくカッコいいけれど・・・・・・って、そうじゃないよ。
俺が、さっきトリックかトリートかって聞かれて、トリックって答えたから、悪戯するってわけなの?ああ、そうなのか、なんだ、そうか・・・・・・って、そんなん納得できるか~??
「ひっぁ、あ、コンラッド・・・・?」
突然、首筋に冷たくて柔らかいものが押し付けられて、思わず変な声を上げて、身体を捩ってしまった。どうやら、彼に首筋にキスをされたらしい。さながら、ドラキュラみたいに、首筋に・・・・・き、キス・・・?!
俺は、羞恥で身体中から湯気が出そうだった。
俺の顔を覗きこむと、彼は、甘く瞳を細めた。
「ユーリ?ハロウィンでは、『いたずらされたい?それともお菓子でおもてなしをしておく?』って聞くんですよ。それが、''Trick or Treat'' なんですよ。でも、ユーリがいたずらを希望するのなら、仕方ありませんね」
「ちょ、ちょっと、おれ、意味しらなかったしって、あっ、や、だめっ・・・・・!」
コンラッドは、再び俺の首筋に軽く歯を立てて甘く噛んだ。
全身が、ぞくりと甘く痺れた。
そんな自分に、ひどい違和感を感じた。コンラッドは、俺の名付親だし、護衛もしてくれてる頼れる奴なのに。
それなのに、俺、こんなことされるのに、男同士なんて絶対いやって思ってたのに、どうして、どうして、嫌・・・・・じゃないんだ。
俺・・・・・どうかしてる。そんなこと、変、だよ。
「んんっ、ぁ、コン、ラッド・・・・・・」
けれど、俺に考える余裕がなくなった。コンラッドの冷たい唇が、鎖骨をうっすらと撫でて、俺の薄い胸板をゆっくりと辿っていった。
冷たくて、長い指が優しく俺の脇腹を撫でていく。
気持ちよくて、ぞくっとするほど甘くて、おかしな気持ちになりかけた。
「はい、おしまい」
唐突に、彼の指も唇も、身体から離れていった。その顔を見上げると、いつもの爽やかスマイルだった。ドラキュラ風ファッションだけど。
「少し悪戯が過ぎましたね。ハロウィン気分は楽しんでいただけましたか?」
たて襟のマントを羽織る、ドラキュラ風コンラッドはそっと優しく微笑んでくれた。そう、いつもみたいに。
なんだか、ひとりだけ心を取り乱していたことが、ひどく恥ずかしく思えて強がった。なるべく平静を装って、答えた。
「うん! まさかドラキュラの格好までしてくれるなんて、驚いたよ。それに、まさか、コンラッドに悪戯されちゃんなんてな! あはは」
本当は、気が気じゃなかった。
コンラッドが、冗談のつもりだったとはいえあんなことをしてくるなんて。
それに、自分が、それを全く嫌と思わなかったし、それどころか、感じてしまったなんて・・・・・・信じられなくて。
だから、絶対にコンラッドには、気づいて欲しくなかった。俺が、こんなに動揺していることを。
だって、コンラッドは、俺を楽しませたかっただけっていうか、本当にただの冗談だったんだから。
俺が、こんなに動揺したら、コンラッドは、かえって引くに決まってる。
だから、いつもの俺らしくなく、必死にポーカーフェイスを装った。
絶対に、絶対に、コンラッドには俺が動揺したってことは気づかれていないはずだ。
「ユーリは、俺がこういうことをしても、冗談として受け取ってしまえるんですね」
「コンラッド?」
コンラッドの声が、憂いを秘めている気がしてはっとした。
けれど、俺が顔を上げると、そこにはいつものコンラッドがいて、月明かりを跳ね返すほど爽やかに微笑まれた。
いつもの、大好きな、名付け親の笑顔なのに。
どうして、こんなに胸が痛むんだよ。
こんなに、優しく微笑んでくれてるっていうのに。
「それでは、おやすみなさい、陛下」
穏やかで、癖のない美声で彼は告げた。眞魔国で一番頼りにしてる彼の声だ。
胸がぐちゃぐちゃにかき乱されて、何かが俺を揺り動かそうとしてた。
それでも、その一線を踏み越える勇気がもてなかった。
「・・・・・・陛下、いうなよ。名付け親」
不自然なほどに、長い沈黙をあけてしまった。けれど、彼に言い返したのは、いつもの台詞。
頼りにしてるコンラッドと戯れるだけの味気ない台詞。それしか、いえなかった。
「そうでした、ユーリ」
いつものように、彼はそう言い返した。その表情は、月が雲に覆われたせいで、よく見えなかった。
踵を返す彼の姿を見ながら、心の中で言った。
―― ゴメン、コンラッド。俺、とんでもないことに気づいたんだ。
俺、あんたのこと・・・・・・好き、だ。
★あとがき★
二人は好きあっているのに、すれ違ってしまう、そんな秋らしい?切ないSS?になったような、ならないような(汗
あの二人なら、すれ違いとかありえそう。でも、ユーリさえその思いに気づいたら、すぐに両思いになってしまいそう^^
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読んでくださってありがとうでした^^
拍手下さった方、ありがとうございました^^
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