2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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第九編 ごめんなさい、貴方が好きです
※コンユvvです。コンラッド視点です。二人は、付き合っていない切ない関係です。第八編のコンラッド視点です。
ユーリ、貴方がとても好きです。
貴方の魂を、地球に届けて以来、私は貴方の眞魔国での親代わりだと自負していました。肉親の情愛が、貴方に対して強く芽生えていました。
過保護と言われようが、私は貴方をいつでも甘やかしてしまいます。眼に入れても痛くないとは、きっとこのことを言うのでしょうね。貴方の考えることは、手に取るように分かるのでつい先を読んで、貴方の望む通りに動いてしまうのです。
それは、純粋な親心だと思っていました。
ごめんなさい、貴方が好きです。
貴方に、死ぬほど恋焦がれています。
清涼とした一陣の風の舞う、一面の花畑。今を盛りと咲き誇る薔薇。私は、例のごとく彼の外に出たい気持ちを汲んで、王佐の元から彼を外へと連れ出したのだった。
地面がぬかるんでいるから、と理由をつけて華奢な彼の手を引っ張る。
最近は、いつでもそうだ。彼と少しでも触れ合いたいばかりに、何かにつけ言い訳を考えてしまう。
「ちょっと、待ってコンラッド」
彼は、私を呼び止める。
薔薇の生い茂る野原で、貴方は、よりにもよって紅色の薔薇に手を伸ばす。
貴方は、その紅色の薔薇の花言葉など知らないのでしょうね。けれど、これは、神様の悪戯でしょうか。
その悪戯に、掛かってみることにします。
「っ!」
なんていう、タイミングだろう。ユーリのひとさし指に、紅色の薔薇の刺が刺さる。血が滲む。
私は、片膝を折ると、彼の人差し指を優しく掴み上げて、その血を舌で掬い取る。
「こ、コンラッド?!」
彼は、激しく動揺し、耳まで真っ赤に染め上げて私を凝視する。
ごめんなさい、貴方が好きです。
神様の悪戯に、ユーリも付き合ってください。
私は、にわかに立ち上がると、きつく彼を腕の中に抱きしめる。今日だけは、今だけは、貴方に肉親の情愛以外の愛を見せることを許してください。
薔薇の花言葉にかこつけて貴方に愛を囁くことを許してください。
「貴方に死ぬほど恋焦がれています」
薔薇の甘い香りが私の胸を心を満たす。長年の貴方への秘めた想いが今、言葉となって空気を振動させる。
「ちょっと?えぇ?こ、コンラッド?!」
けれど、貴方はひどく動揺し、私の腕の中でじたばたと動く。
そうですね、ごめんなさい、ユーリ。貴方を混乱させてしまって。貴方にとっては、私は眞魔国の親でしたね。
「紅色の薔薇の花言葉です」
すぐに私は取り繕う。
私は必死に平静を装って、彼の両肩をそっと掴むと、彼に微笑みかける。
大丈夫、きっと上手く隠せている。
案の定、貴方はすっかり安心しきった顔をして、薔薇を背景に愛らしく微笑む。
「な、なんだ~。そうだったのか。びっくりさせるなよな、コンラッド~」
ユーリ・・・・・貴方はそんなに、ほっとした顔をして・・・・・・。やはり、私が愛を囁くのは貴方にとっては重荷なのでしょうか。親としての愛しか、受け付けてはもらえないのでしょうか。
ごめんなさい、ユーリ。さすがに今の私は上手く貴方に微笑んであげられないかもしれません。
「すみません、ユーリ」
それでも、いつか真っ直ぐに貴方に愛を囁かせてください。
この数ある薔薇の中から貴方が選んだ紅色の薔薇のように。その花言葉のように。
貴方に死ぬほど恋焦がれていますから。
第九編 =完
※コンユvvです。コンラッド視点です。二人は、付き合っていない切ない関係です。第八編のコンラッド視点です。
ユーリ、貴方がとても好きです。
貴方の魂を、地球に届けて以来、私は貴方の眞魔国での親代わりだと自負していました。肉親の情愛が、貴方に対して強く芽生えていました。
過保護と言われようが、私は貴方をいつでも甘やかしてしまいます。眼に入れても痛くないとは、きっとこのことを言うのでしょうね。貴方の考えることは、手に取るように分かるのでつい先を読んで、貴方の望む通りに動いてしまうのです。
それは、純粋な親心だと思っていました。
ごめんなさい、貴方が好きです。
貴方に、死ぬほど恋焦がれています。
清涼とした一陣の風の舞う、一面の花畑。今を盛りと咲き誇る薔薇。私は、例のごとく彼の外に出たい気持ちを汲んで、王佐の元から彼を外へと連れ出したのだった。
地面がぬかるんでいるから、と理由をつけて華奢な彼の手を引っ張る。
最近は、いつでもそうだ。彼と少しでも触れ合いたいばかりに、何かにつけ言い訳を考えてしまう。
「ちょっと、待ってコンラッド」
彼は、私を呼び止める。
薔薇の生い茂る野原で、貴方は、よりにもよって紅色の薔薇に手を伸ばす。
貴方は、その紅色の薔薇の花言葉など知らないのでしょうね。けれど、これは、神様の悪戯でしょうか。
その悪戯に、掛かってみることにします。
「っ!」
なんていう、タイミングだろう。ユーリのひとさし指に、紅色の薔薇の刺が刺さる。血が滲む。
私は、片膝を折ると、彼の人差し指を優しく掴み上げて、その血を舌で掬い取る。
「こ、コンラッド?!」
彼は、激しく動揺し、耳まで真っ赤に染め上げて私を凝視する。
ごめんなさい、貴方が好きです。
神様の悪戯に、ユーリも付き合ってください。
私は、にわかに立ち上がると、きつく彼を腕の中に抱きしめる。今日だけは、今だけは、貴方に肉親の情愛以外の愛を見せることを許してください。
薔薇の花言葉にかこつけて貴方に愛を囁くことを許してください。
「貴方に死ぬほど恋焦がれています」
薔薇の甘い香りが私の胸を心を満たす。長年の貴方への秘めた想いが今、言葉となって空気を振動させる。
「ちょっと?えぇ?こ、コンラッド?!」
けれど、貴方はひどく動揺し、私の腕の中でじたばたと動く。
そうですね、ごめんなさい、ユーリ。貴方を混乱させてしまって。貴方にとっては、私は眞魔国の親でしたね。
「紅色の薔薇の花言葉です」
すぐに私は取り繕う。
私は必死に平静を装って、彼の両肩をそっと掴むと、彼に微笑みかける。
大丈夫、きっと上手く隠せている。
案の定、貴方はすっかり安心しきった顔をして、薔薇を背景に愛らしく微笑む。
「な、なんだ~。そうだったのか。びっくりさせるなよな、コンラッド~」
ユーリ・・・・・貴方はそんなに、ほっとした顔をして・・・・・・。やはり、私が愛を囁くのは貴方にとっては重荷なのでしょうか。親としての愛しか、受け付けてはもらえないのでしょうか。
ごめんなさい、ユーリ。さすがに今の私は上手く貴方に微笑んであげられないかもしれません。
「すみません、ユーリ」
それでも、いつか真っ直ぐに貴方に愛を囁かせてください。
この数ある薔薇の中から貴方が選んだ紅色の薔薇のように。その花言葉のように。
貴方に死ぬほど恋焦がれていますから。
第九編 =完
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