2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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第十六話 人工呼吸ですから
※グウェユな感じです。
食事を終えた俺たちは、再び車に乗り込む。
「はぁ~、食った食った。おごって貰って悪かったな、グウェンダル先生」
俺は、たとえお子様ランチであろうと、食欲を満たされて、とてもいい気分だった。
うん、俺って元々B級グルメ好きだし、久しぶりにお子様ランチっていうのもなかなかいいものかもな。
助手席に乗り込んだ俺は、満足気な顔で、にっこりと、グウェンダルに微笑みかける。
彼は、目を見開いて俺を見つめる。
無言のまま、俺を見つめ続けるグウェンダル。
え、ええ~っと、グウェンダル先生?な、何だろう、この沈黙は・・・・。閉ざされた車内に二人きり。見詰め合う、俺達・・・・・?なんか、変な雰囲気?心なしか、グウェンダルの瞳が熱っぽい?
のらり、くらりと思考を巡らせていた俺は、怒涛の展開に、目を瞬かすことになる。
むぎゅ。
俺よりも一回りも二回りも体格の大きなグウェンダルの腕の中に俺はすっかり収まっていた。
えぇ~~っと、なんで俺、抱き締められちゃってるの?!
けれど、次の瞬間、俺はさらにぱちくりと目を瞬かすことになった。
グウェンダルの端整な唇が、俺の唇に重ね合わされる。
はい?!えぇぇ~?!グウェンダル、お前もか?!じゃなくて・・・・、あぁ、俺、どうしよう。眞魔国3兄弟全員にキスされたんですけど。おまけに、王佐にまで・・・・・・。この世界は、どうなってんだ~~~!!アニシナさんの魔道装置恐るべし・・・・・じゃなくて・・・・!
唖然としている俺の唇が、唐突に彼から引き離される。
なぜか、俺より慌てふためく、グウェンダル。
グ、グウェンダル?どうしたんだろう、そんなに慌てて・・・?ここは、俺が慌てるところだと思うんですけど・・・・・。
彼は髪を振り乱して、口に手を当てている。信じられないことをしてしまった、というような顔をして固まるグウェンダル。
「すまない・・・・・今のは、今のはだな・・・・」
グウェンダルは必死で、言葉を探しているように見える。
俺は、その答えを、じっと待つ。
「人工呼吸だ」
は、はい?!さすがに、それはありえないかと思いますよ、グウェンダル。脳筋族の俺でもわかりますよ。
「え?そんな、だって、人工呼吸って意識の失くした人にするんだろ、俺意識ずっとあるし・・・・」
途端に、険しい顔になって俺を睨みつけるグウェンダル。俺はすっかり蛇に睨まれた蛙状態になってしまった。
う、うわぁー、こ、怖いですから!!そんなに、睨まないで下さい。お願い・・・です。
ただでさえ低い声を一オクターブ下げて、凄むグウェンダル。
腹の底に響く低音。地獄の使者のような声音。
眉間に深く刻まれた皺。肉食獣が、敵を威嚇するときのようなそれ。
「さっき、お前は意識がなかったんだ・・・・・そうだよな?」
こ、ここで、否定できる奴なんているのかよ?!
俺は、一も二もなく返事する。弱肉強食の世界で最下層の小動物になった気分の俺。
ジャングルの王者に楯突こうなんて、とんでもないですから!!
「はいはいはいはい!!意識、なかったです!!」
ふっと、グウェンダルの顔が和らぐ。
「そうだろ?・・・・だから、俺が人工呼吸したまでだ」
人工呼吸は、普通気道を確保するために横に寝かせて行うし、相手に息を吹き込んで酸素を送り込む。心臓マッサージも、並行して行うはずだ。脳筋族の俺でも、こういった類のことには詳しい。
けれど・・・・言えない。そんなこと言えるわけないじゃないか!!
言ったらきっと、とんでもないことになる。
俺の本能が訴えかけてるんだ、間違いない!!
「あはは~、そっかぁ、なんだぁ、グウェンダル。あははは」
俺は、しらじらしく話を合わせ、笑うより余地はなかった。結局、なぜグウェンダルが俺にキスしてきたのかは分からなかったけど。
第十六話 =完
※グウェユな感じです。
食事を終えた俺たちは、再び車に乗り込む。
「はぁ~、食った食った。おごって貰って悪かったな、グウェンダル先生」
俺は、たとえお子様ランチであろうと、食欲を満たされて、とてもいい気分だった。
うん、俺って元々B級グルメ好きだし、久しぶりにお子様ランチっていうのもなかなかいいものかもな。
助手席に乗り込んだ俺は、満足気な顔で、にっこりと、グウェンダルに微笑みかける。
彼は、目を見開いて俺を見つめる。
無言のまま、俺を見つめ続けるグウェンダル。
え、ええ~っと、グウェンダル先生?な、何だろう、この沈黙は・・・・。閉ざされた車内に二人きり。見詰め合う、俺達・・・・・?なんか、変な雰囲気?心なしか、グウェンダルの瞳が熱っぽい?
のらり、くらりと思考を巡らせていた俺は、怒涛の展開に、目を瞬かすことになる。
むぎゅ。
俺よりも一回りも二回りも体格の大きなグウェンダルの腕の中に俺はすっかり収まっていた。
えぇ~~っと、なんで俺、抱き締められちゃってるの?!
けれど、次の瞬間、俺はさらにぱちくりと目を瞬かすことになった。
グウェンダルの端整な唇が、俺の唇に重ね合わされる。
はい?!えぇぇ~?!グウェンダル、お前もか?!じゃなくて・・・・、あぁ、俺、どうしよう。眞魔国3兄弟全員にキスされたんですけど。おまけに、王佐にまで・・・・・・。この世界は、どうなってんだ~~~!!アニシナさんの魔道装置恐るべし・・・・・じゃなくて・・・・!
唖然としている俺の唇が、唐突に彼から引き離される。
なぜか、俺より慌てふためく、グウェンダル。
グ、グウェンダル?どうしたんだろう、そんなに慌てて・・・?ここは、俺が慌てるところだと思うんですけど・・・・・。
彼は髪を振り乱して、口に手を当てている。信じられないことをしてしまった、というような顔をして固まるグウェンダル。
「すまない・・・・・今のは、今のはだな・・・・」
グウェンダルは必死で、言葉を探しているように見える。
俺は、その答えを、じっと待つ。
「人工呼吸だ」
は、はい?!さすがに、それはありえないかと思いますよ、グウェンダル。脳筋族の俺でもわかりますよ。
「え?そんな、だって、人工呼吸って意識の失くした人にするんだろ、俺意識ずっとあるし・・・・」
途端に、険しい顔になって俺を睨みつけるグウェンダル。俺はすっかり蛇に睨まれた蛙状態になってしまった。
う、うわぁー、こ、怖いですから!!そんなに、睨まないで下さい。お願い・・・です。
ただでさえ低い声を一オクターブ下げて、凄むグウェンダル。
腹の底に響く低音。地獄の使者のような声音。
眉間に深く刻まれた皺。肉食獣が、敵を威嚇するときのようなそれ。
「さっき、お前は意識がなかったんだ・・・・・そうだよな?」
こ、ここで、否定できる奴なんているのかよ?!
俺は、一も二もなく返事する。弱肉強食の世界で最下層の小動物になった気分の俺。
ジャングルの王者に楯突こうなんて、とんでもないですから!!
「はいはいはいはい!!意識、なかったです!!」
ふっと、グウェンダルの顔が和らぐ。
「そうだろ?・・・・だから、俺が人工呼吸したまでだ」
人工呼吸は、普通気道を確保するために横に寝かせて行うし、相手に息を吹き込んで酸素を送り込む。心臓マッサージも、並行して行うはずだ。脳筋族の俺でも、こういった類のことには詳しい。
けれど・・・・言えない。そんなこと言えるわけないじゃないか!!
言ったらきっと、とんでもないことになる。
俺の本能が訴えかけてるんだ、間違いない!!
「あはは~、そっかぁ、なんだぁ、グウェンダル。あははは」
俺は、しらじらしく話を合わせ、笑うより余地はなかった。結局、なぜグウェンダルが俺にキスしてきたのかは分からなかったけど。
第十六話 =完
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