忍者ブログ
2009.4.22設置 『今日からマ王』メインです。 
<< 08  2024/09  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30    10 >>


2024/09/21 (Sat)                  [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2010/03/22 (Mon)                  猫でごめんな(3)


猫でごめんな(3)

 「はぁっ、熱いっ、おれ、どうしたんだ・・・・・・っ」

 血盟城の王室に、事実上軟禁されていたおれは、自分の身体の変化に苦しんでいた。
 一面の窓から見る空は、既に薄紫色に染まっていた。もうすぐ、夕食の時間だろう。それなのに、少しも食欲が湧かない。
 いや、むしろ湧くのは、性欲ばかり・・・・・・。

 健全な男子高校生なら、少しくらいむらむらすることだってある。それにしても、今のおれは異常としかいいようがない。学生服のズボンの下は、既に屹立していた。おまけに、全身が熱くてたまらない。人肌が恋しくてたまらない。
  コンラッドに会いたいなぁ。あぁ、でも、猫アレルギーだもんなぁ。

 意味もなく、布団の上で、ごろごろと転がっていた。まさに、にゃんこだ。
 
 だけど、もう限界。
 もう少しで、自分自身でその熱を処理しようとするところだった。

 布団の上で、そこを擦りつけるようにもぞもぞと動きながら、ベルトを外しかけたとき、ノックと共に扉が開かれた。

「んあっ、よ、ヨザック!!」

「あらあらっ、坊ちゃん。気まずいときに来ちゃいましたかぁ。気にしないで下さい、ほら、夕食のデリバリーですよん」

 ぱっと、ズボンのベルトから手を離すおれを宥(たしな)めると、ヨザックは料理皿を両手に持ちながら、肩を竦めて見せた。
 空色の瞳を悪戯にウィンクさせて、ヨザックはベッドサイドの机に、食事を並べていく。

 おれは、ベッドに転がりながら、じっとりとヨザックを眺めていた。いつもなら、料理の香ばしいかおりに囚われるのに、今は、食指が働かない。
  それどころか、久しぶりに人と接触できたことが嬉しくて、猫耳がぴくぴくっと震える。しっぽがつんと上を向く。

「なぁ、ヨザック、こっちで一緒に寝よう?」

 自分でも、信じられないくらい甘えた声が出た。とにかく寂しくて、人肌恋しくて・・・・・・触れられたい。

 本当は、コンラッドに触れられたい・・・・・・んだけど。

「にゃんこ坊ちゃん? えーと?」

 ヨザックは、瞳を真ん丸くして、頭をぼりぼりと掻く。手持ち無沙汰で佇む彼の側に、おれはそっとにじり寄って行く。そして、剥き出しの筋肉質な腕に、しなやかに縋りつく。


back.gif


 裏へつづきます。ヒント右下 英語

拍手

PR
[12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20


カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
リンク
こちら、WEB拍手です              web拍手★イラストお礼等


拍手コメントのお返事←Res
最新CM
[05/01 ずきんちゃん]
[04/18 花菜]
[04/18 ずきんちゃん]
[03/03 ずきんちゃん]
[03/03 花菜]
最新TB
プロフィール
HN:
ずきんちゃん
性別:
女性
趣味:
ひとりカラオケ カラオケ 旅
自己紹介:
とても気が弱く長いものに巻かれろ的な性格です。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
フリーエリア
もしオウエンしていただけたら

             a-conyu-clap.gif
忍者アナライズ

Designed by TKTK
PHOTO by *05 free photo

忍者ブログ [PR]