[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
猫でごめんな(3)
「はぁっ、熱いっ、おれ、どうしたんだ・・・・・・っ」
血盟城の王室に、事実上軟禁されていたおれは、自分の身体の変化に苦しんでいた。
一面の窓から見る空は、既に薄紫色に染まっていた。もうすぐ、夕食の時間だろう。それなのに、少しも食欲が湧かない。
いや、むしろ湧くのは、性欲ばかり・・・・・・。
健全な男子高校生なら、少しくらいむらむらすることだってある。それにしても、今のおれは異常としかいいようがない。学生服のズボンの下は、既に屹立していた。おまけに、全身が熱くてたまらない。人肌が恋しくてたまらない。
コンラッドに会いたいなぁ。あぁ、でも、猫アレルギーだもんなぁ。
意味もなく、布団の上で、ごろごろと転がっていた。まさに、にゃんこだ。
だけど、もう限界。
もう少しで、自分自身でその熱を処理しようとするところだった。
布団の上で、そこを擦りつけるようにもぞもぞと動きながら、ベルトを外しかけたとき、ノックと共に扉が開かれた。
「んあっ、よ、ヨザック!!」
「あらあらっ、坊ちゃん。気まずいときに来ちゃいましたかぁ。気にしないで下さい、ほら、夕食のデリバリーですよん」
ぱっと、ズボンのベルトから手を離すおれを宥(たしな)めると、ヨザックは料理皿を両手に持ちながら、肩を竦めて見せた。
空色の瞳を悪戯にウィンクさせて、ヨザックはベッドサイドの机に、食事を並べていく。
おれは、ベッドに転がりながら、じっとりとヨザックを眺めていた。いつもなら、料理の香ばしいかおりに囚われるのに、今は、食指が働かない。
それどころか、久しぶりに人と接触できたことが嬉しくて、猫耳がぴくぴくっと震える。しっぽがつんと上を向く。
「なぁ、ヨザック、こっちで一緒に寝よう?」
自分でも、信じられないくらい甘えた声が出た。とにかく寂しくて、人肌恋しくて・・・・・・触れられたい。
本当は、コンラッドに触れられたい・・・・・・んだけど。
「にゃんこ坊ちゃん? えーと?」
ヨザックは、瞳を真ん丸くして、頭をぼりぼりと掻く。手持ち無沙汰で佇む彼の側に、おれはそっとにじり寄って行く。そして、剥き出しの筋肉質な腕に、しなやかに縋りつく。
裏へつづきます。ヒント右下 英語
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |