2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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第一話 夜明け前のプロポーズ
※コンラッドが、過去の出来事を思い出して、ユーリに甘えるお話です。前半は、余裕の無いへたれ気味コンラッドです。そして、とうとうプロポーズをするのか?コンユです。二人は、付き合っている設定。
物音一つしない、穏やかな静寂に包まれた夜。
俺は、隣で眠るコンラッドの苦しい寝息で眼が覚めた。
「はっ・・・くっ・・・!!」
俺は心配して、コンラッドの頭を優しく撫でる。
悪い夢でも、見てるのかな、汗びっしょりだし、すごく苦しそう。
「・・・・!ユーリ!」
彼は、眼を覚ますと、俺の胸に抱きつく。
「すみません、ユーリ・・・・しばらくこうしていて貰えませんか?」
いつもの余裕たっぷりのコンラッドは、ここにはいなかった。
俺にしがみつく、俺よりも大きな身体。けれど、小刻みに震えていて、まるで、小さな子犬のよう。
「いいけど・・・どうした?」
コンラッドが、震えながら言葉を紡ぐ。俺の身体をきつく抱きしめながら。
「嫌な・・・夢を見たんです。夢・・・といっても・・・現実に起きた過去のことなのですが・・・」
俺は、じっとコンラッドの言葉に耳を傾ける。指で、優しく彼の髪を梳かしながら。
何だろう、いつもと逆だな。
でも、なんか、新鮮。こんなコンラッドもいいな。
「あの、貴方を裏切って・・・・シマロンに出向いていたころの夢を・・・・見てしまったのです」
コンラッドは、言いながらも、また思い出して傷ついているようだった。
「コンラッド・・・・」
俺は、優しくコンラッドの頭を自分の胸に抱き寄せる。
「ユーリ・・・・いくら眞王の命令とはいえ、貴方を裏切ってしまった浅はかな自分が・・・許せないのです!!」
俺は、深く傷ついているコンラッドを優しく包む。確かに、あの時は、俺はものすごくショックだった。けれど、全てが俺のために、彼がしたことだというのはすぐに分かった。
彼の慈しみに溢れた俺への眼差し、声、優しく抱きしめてくれる暖かい腕・・・・。
常日ごろから、そんな彼からの優しさに触れていたら、少しだって彼を疑う気持ちはなくなるんだ。
「コンラッド、そんなに自分を責めるなよ。俺、少しもコンラッドに裏切られたなんて感じてないよ。あのときのことも、コンラッドが俺のためにしたことだって分かってるから」
にこりと微笑んで、コンラッドを見下ろす。
コンラッドは、真剣な眼差しで俺を見上げる。
「ユーリ・・・!!けれど、俺は貴方が俺に戻ってきて欲しいと、泣いて叫んだ、深く傷ついた顔が・・・・脳裏に焼きついて離れません!!」
俺は、ぎゅっと、きつくコンラッドを抱きしめる。彼を優しく諭す。
「まったく・・・・馬鹿だな、コンラッド。俺は、今あんたのことがこんなに好きでたまらないのに。どうして、そんな過去のことを想い出して、傷つく必要があるんだ」
俺の言葉に、コンラッドの雰囲気が少し和らぐ。
「ユーリ・・・」
熱に浮かされたような、くぐもった彼の声が部屋に響く。
俺は、一呼吸おいて、できる限りの優しい笑顔を彼に向ける。
「それに、そんな俺の昔の顔を忘れられるくらい、これから、いっぱい二人で楽しい想いでを作っていけばいいよ!これからは、ずっと、コンラッドに俺の笑顔を刻み付けて、俺の笑顔しか思い出せなくさせてやるから!」
言うや否や、コンラッドが俺を、四肢の下に組み敷き、右手で、強引に俺の顎を上向きにさせると、情熱的に俺の唇を吸い上げる。自身の左指を俺の右指に絡めながら。
「んっ、コンラッド・・・!!」
ゆっくりと、コンラッドの唇が離される。俺が、そっと彼を見上げる。
そこには、もういつもの余裕たっぷりのコンラッドがいた。俺は、安心してにっこりと彼に微笑む。
「貴方に、情けないところをお見せして、すみません」
そういうと、彼は甘く俺を見つめて、囁く。
「これからは、決して貴方を傷つけることはしませんから。貴方を笑顔で溢れさせると、約束します」
彼は、俺の左手の薬指に口付けをする。
「うん・・・コンラッド。それにね、情けないところだって、全然見せて欲しいんだ。なんか、その方が、俺のことをそんなに想ってくれてるんだ・・・・て感じられたりするし」
照れながらも、俺は、コンラッドにまっすぐに、一生懸命に、想いを伝える。
「ユーリ・・・」
とても、優しい表情のコンラッドと眼が合う。
「コンラッド・・・・俺、情けないところまでも、全部・・・悔しいほどに、あんたに惚れてるんだ」
俺は、はにかみながら、コンラッドにそっと囁く。
コンラッドの瞳が大きく見開かれる。そして、彼は、息せき切るように語りだす。
「愛しています!ユーリ!私のほうこそ、もう、どうしょうもないくらいに貴方に夢中です」
彼は、胸を撫で下ろし、一呼吸すると、今まで見たことのない甘い顔で俺に伝える。
「・・・・ユーリ、俺と結婚、してくれませんか?」
情熱的で、熱いまなざしのコンラッドに、俺はプロポーズをされた。
唐突で、俺は、初めは頭の中が真っ白になった。
次第に、彼の言葉の重みが温かく胸に染み込む。
俺は、胸がいっぱいで、言葉を紡ぐのに苦労する。
「コン・・・ラッド・・・・。ありが・・・とう。俺、嬉しくて・・・・・嬉しすぎて・・・・ちゃんと・・・しゃべれ・・なくて・・・ごめ・・・・ん。もちろん・・・、喜んで!!」
俺が、言い終わるや否や、コンラッドにきつく抱きしめられる。
今まで、何回も抱きしめあったのに、とても新鮮に感じられる。
それは、きっと、2人の絆が何よりも強く結ばれた後だから。
命尽きるまで、2人で愛し合うと約束した後だから。
新たに強い絆で結ばれた、愛し合う2人に、爽やかな白い朝が訪れようとしていた。
第一話 =完
※コンラッドが、過去の出来事を思い出して、ユーリに甘えるお話です。前半は、余裕の無いへたれ気味コンラッドです。そして、とうとうプロポーズをするのか?コンユです。二人は、付き合っている設定。
物音一つしない、穏やかな静寂に包まれた夜。
俺は、隣で眠るコンラッドの苦しい寝息で眼が覚めた。
「はっ・・・くっ・・・!!」
俺は心配して、コンラッドの頭を優しく撫でる。
悪い夢でも、見てるのかな、汗びっしょりだし、すごく苦しそう。
「・・・・!ユーリ!」
彼は、眼を覚ますと、俺の胸に抱きつく。
「すみません、ユーリ・・・・しばらくこうしていて貰えませんか?」
いつもの余裕たっぷりのコンラッドは、ここにはいなかった。
俺にしがみつく、俺よりも大きな身体。けれど、小刻みに震えていて、まるで、小さな子犬のよう。
「いいけど・・・どうした?」
コンラッドが、震えながら言葉を紡ぐ。俺の身体をきつく抱きしめながら。
「嫌な・・・夢を見たんです。夢・・・といっても・・・現実に起きた過去のことなのですが・・・」
俺は、じっとコンラッドの言葉に耳を傾ける。指で、優しく彼の髪を梳かしながら。
何だろう、いつもと逆だな。
でも、なんか、新鮮。こんなコンラッドもいいな。
「あの、貴方を裏切って・・・・シマロンに出向いていたころの夢を・・・・見てしまったのです」
コンラッドは、言いながらも、また思い出して傷ついているようだった。
「コンラッド・・・・」
俺は、優しくコンラッドの頭を自分の胸に抱き寄せる。
「ユーリ・・・・いくら眞王の命令とはいえ、貴方を裏切ってしまった浅はかな自分が・・・許せないのです!!」
俺は、深く傷ついているコンラッドを優しく包む。確かに、あの時は、俺はものすごくショックだった。けれど、全てが俺のために、彼がしたことだというのはすぐに分かった。
彼の慈しみに溢れた俺への眼差し、声、優しく抱きしめてくれる暖かい腕・・・・。
常日ごろから、そんな彼からの優しさに触れていたら、少しだって彼を疑う気持ちはなくなるんだ。
「コンラッド、そんなに自分を責めるなよ。俺、少しもコンラッドに裏切られたなんて感じてないよ。あのときのことも、コンラッドが俺のためにしたことだって分かってるから」
にこりと微笑んで、コンラッドを見下ろす。
コンラッドは、真剣な眼差しで俺を見上げる。
「ユーリ・・・!!けれど、俺は貴方が俺に戻ってきて欲しいと、泣いて叫んだ、深く傷ついた顔が・・・・脳裏に焼きついて離れません!!」
俺は、ぎゅっと、きつくコンラッドを抱きしめる。彼を優しく諭す。
「まったく・・・・馬鹿だな、コンラッド。俺は、今あんたのことがこんなに好きでたまらないのに。どうして、そんな過去のことを想い出して、傷つく必要があるんだ」
俺の言葉に、コンラッドの雰囲気が少し和らぐ。
「ユーリ・・・」
熱に浮かされたような、くぐもった彼の声が部屋に響く。
俺は、一呼吸おいて、できる限りの優しい笑顔を彼に向ける。
「それに、そんな俺の昔の顔を忘れられるくらい、これから、いっぱい二人で楽しい想いでを作っていけばいいよ!これからは、ずっと、コンラッドに俺の笑顔を刻み付けて、俺の笑顔しか思い出せなくさせてやるから!」
言うや否や、コンラッドが俺を、四肢の下に組み敷き、右手で、強引に俺の顎を上向きにさせると、情熱的に俺の唇を吸い上げる。自身の左指を俺の右指に絡めながら。
「んっ、コンラッド・・・!!」
ゆっくりと、コンラッドの唇が離される。俺が、そっと彼を見上げる。
そこには、もういつもの余裕たっぷりのコンラッドがいた。俺は、安心してにっこりと彼に微笑む。
「貴方に、情けないところをお見せして、すみません」
そういうと、彼は甘く俺を見つめて、囁く。
「これからは、決して貴方を傷つけることはしませんから。貴方を笑顔で溢れさせると、約束します」
彼は、俺の左手の薬指に口付けをする。
「うん・・・コンラッド。それにね、情けないところだって、全然見せて欲しいんだ。なんか、その方が、俺のことをそんなに想ってくれてるんだ・・・・て感じられたりするし」
照れながらも、俺は、コンラッドにまっすぐに、一生懸命に、想いを伝える。
「ユーリ・・・」
とても、優しい表情のコンラッドと眼が合う。
「コンラッド・・・・俺、情けないところまでも、全部・・・悔しいほどに、あんたに惚れてるんだ」
俺は、はにかみながら、コンラッドにそっと囁く。
コンラッドの瞳が大きく見開かれる。そして、彼は、息せき切るように語りだす。
「愛しています!ユーリ!私のほうこそ、もう、どうしょうもないくらいに貴方に夢中です」
彼は、胸を撫で下ろし、一呼吸すると、今まで見たことのない甘い顔で俺に伝える。
「・・・・ユーリ、俺と結婚、してくれませんか?」
情熱的で、熱いまなざしのコンラッドに、俺はプロポーズをされた。
唐突で、俺は、初めは頭の中が真っ白になった。
次第に、彼の言葉の重みが温かく胸に染み込む。
俺は、胸がいっぱいで、言葉を紡ぐのに苦労する。
「コン・・・ラッド・・・・。ありが・・・とう。俺、嬉しくて・・・・・嬉しすぎて・・・・ちゃんと・・・しゃべれ・・なくて・・・ごめ・・・・ん。もちろん・・・、喜んで!!」
俺が、言い終わるや否や、コンラッドにきつく抱きしめられる。
今まで、何回も抱きしめあったのに、とても新鮮に感じられる。
それは、きっと、2人の絆が何よりも強く結ばれた後だから。
命尽きるまで、2人で愛し合うと約束した後だから。
新たに強い絆で結ばれた、愛し合う2人に、爽やかな白い朝が訪れようとしていた。
第一話 =完
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