2009.4.22設置
『今日からマ王』メインです。
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第四話 俺たち、結婚します!
※コンラッドとユーリが渋谷家に結婚報告に行くお話です。捏造しすぎですみません(汗
今日は、地球では『大安』。万事に良いとされる日。
俺と、コンラッドは今日はなんと、結婚報告に俺の実家に行くことになっている。
眞魔国では、同性同士の結婚が認められているのも手伝って、こちらではすんなりと俺達の結婚話が進められている。
でも、地球では同性同士の恋愛さえ難しい。世界には同性の結婚を認めている国もあるけれど、日本では到底ありえない話だ。
おまけに、あの口うるさい勝利までいる。お袋は、今まではヴォルフラムが婚約者だと思っているし。頭の固い親父が認めてくれるものかどうか・・・・・。
うぅ、前途多難だ。
がっくりと、肩を落とす俺に心配そうに声をかけるコンラッド。
「ユーリ、どうしましたか?」
俺は、コンラッドのほうを振り返る。
思わず、彼に見惚れてしまう。
すごい、カッコイイ。コンラッド、正装姿が凛々しすぎだよ。背後に、薔薇が見えるのは気のせいか?!
肩章のついたミリタリースタイルの白ジャケット。胸元に煌く勲章。白地に映える、金の飾り釦。斜めに掛けられた金のジャガードの飾り帯。白のスラックス。
なんか、シンデレラに出てくる王子様の格好と同じじゃないか?!
怪訝な顔で俺を見つめる王子コンラッド。
「どうしましたか、ユーリ。顔が随分と紅いようですが?」
言えない、コンラッドに見惚れて紅くなったなんて、言えないよ、俺。
「ななな、なんでもないし」
俺は、不自然に、顔を逸らしてしまう。
コンラッドが、困った顔で俺を見つめる。
「ユーリ?もしかして・・・・私のこの格好はおかしいですか?その・・・貴方の家に、正式に結婚を報告に行くにはあまり似つかわしくない格好でしょうか?」
俺は、顔をぶんぶんと大げさに横に振りながら答える。
「そんなこと、断じてありませんから!!」
ますます怪訝な顔をしてコンラッドが俺を見つめる。
「それなら、どうして貴方はそんなにそわそわしているのですか?おかしな格好の俺に気を使っているのではないですか」
これ以上婚約者を困らせるのも悪いし、俺は、素直に白状することにした。
「だって、だって・・・・・その格好がコンラッドにあまりにも似合いすぎて、王子みたいだし・・・・・格好いいなって・・・思って・・・」
恥ずかしくて、俯く俺。
「ユーリ、ありがとう。私も今日はとても緊張していて、貴方の言動を気にしすぎてしまったようです。すみません」
優しく俺を抱き締めるコンラッド。
そうだった。コンラッドは、今日、俺の親に結婚の報告をしないといけないんだからきっとすごく緊張しているんだ。俺がもっとしっかりしてやらなきゃな。コンラッドの腕の中からそっと彼の顔を見上げる。
「コンラッド、うちの親とか兄貴は、ご覧の通りちょっと変わってて一筋縄ではいかないかもしれないけど、絶対に俺達のこと認めてもらおうな!」
俺の身体をきつく抱きしめなおすコンラッド。
「えぇ!貴方との結婚のためなら、例えどんなに反対されようとも、認めてもらうまで引き下がりませんから」
コンラッドが、優しく、俺の額に口付けをする。
にわかに、聞き覚えのある明るい声が聞こえてくる。
「渋谷~、取り込み中のところ悪いんだけど、そろそろ向こうに送る荷造りも終わったよ」
突然の、村田の声に慌てて振り返る俺。
今の全部、聞かれてた?うわぁ、ちょっと恥ずかしいかも。
「わわ、わかった。今行きます!!」
大量の荷物と共に、俺とコンラッドは渋谷家の狭い浴槽に辿り着く。
何とか、無事にスタツアできたみたいだな。それにしても、スタツアするってことは、服も水浸しだよな。コンラッド、せっかく正装したのに、水浸しになっちゃって、落ち込んでないかな?
彼のほうをそっと見遣る。けれど、髪の毛こそは濡れているけども、服は全く濡れていない。
疑問に思った俺は、コンラッドに尋ねる。
「コンラッド、どうして服が濡れてないんだ?」
にこり、と微笑むコンラッド。
「アニシナさんの協力で作られた特別な衣服なんです。おかげで、ほらこのように服は全く濡れていません」
改めて、俺はまったく濡れていない衣服に、感心する。
「へぇ、すごいな。本当に濡れていないな」
でも、アニシナさんの発明品ってたまに、とんでもない事態を巻き起こすことがあったからなぁ。それが、少し心配だけど。
でも、俺達のために、こんな服まで研究してくれてたなんて、すごく嬉しいな。
ありがとう、アニシナさん。
俺は、心の中でそっとお礼を言う。
俺達は、洗面所で、髪を乾かして身なりを整える。防水パックから、荷物を取り出すと、堅い足取りで、居間へと向かう。
コンラッドは、戦地へ赴くときのような、険阻な表情をしている。
うわぁ、コンラッド。気合入っているんだ。そんなに、緊張しちゃってて、ちょっと気の毒になってくるよ。うちの家族が、コンラッドを絶対気に入るように、俺も全力で協力するからな!!
居間に行くと、ソファに座る親父と、勝利がいる。お袋は、俺達の姿を見ると、黄色い声を上げて立ち上がる。
「まぁ、コンラッドさんてば、素敵な衣装ね。王子様みたいよ!!」
お袋はひとしきり騒いだ後、お茶の用意に向かう。
「ささ、お茶を用意するわ。二人とも、好きなところに座ってちょうだいね」
お袋とは対照的に、こちらではお通夜のように暗く重い空気が流れている。俺が大切な話があるから日曜日は開けておくようにと、家族に頼んだのだが。そんなことを今まで言ったことのない俺の言動に、かえってとんでもないことが起きるのでは・・・・と親父と勝利を身構えさせてしまったのかもしれない。
もしかして、俺が魔王をやっている関係で、命にかかわる危険が出てきた・・・・みたいな重要報告をすると思ってるのかも?
親父も、勝利も、眉間に皺を寄せて、地面の一点を見つめ続けている。
おい、俺達の方を見てくれよ。親父!勝利!
あぁ、むしろ、婚約者を連れてくるからって言っておいたほうが、ここまで緊迫した空気を生み出さずに済んだのかも。あぁ、馬鹿な俺でごめん、コンラッド。
誰も、一言もしゃべらない。緊迫した空気が張り詰める。
だ、だめだ、話し出すタイミングが掴めない!!
「もう、皆。何固まっちゃってるのかしら。さぁ、お茶よ。お茶。クッキーもあるわ。仲良くいただきましょう」
お袋の明るい声に、場の雰囲気が和らぐ。
ありがとう、お袋。助かったよ。よし、俺も、しっかりしなきゃな。勇気が沸いてきたよ。
俺は、意を決して発言する。
「・・・・・実は、今日は皆に聞いてもらいたい大切なことがあるんだ!」
俺の発言に、家族の視線が突き刺さる。
うわぁ、ちょっと、視線が痛いです。でも、俺、頑張って言います!!
「お、俺たち、結婚します!こちらが、俺の婚約者のウェラー卿コンラッドさんです」
親父も、勝利も、お袋も、ぽかんと口を開けて俺達を交互に見つめる。
まっさきに、口を開いたのは、お袋だった。
彼女の黄色い声がリビングに響き渡る。
花が咲いたようにぱぁっと部屋の中が明るくなる。
「まぁ~~~。ゆうちゃん?確か、前の婚約者はヴォルフラムちゃんだったんじゃない?あらあら」
俺のことをじっと見つめると、悪戯な顔をして微笑むお袋。
「ゆうちゃんってば、小悪魔さんだったのね。そう、コンラッドさんと、結ばれることになったのね。いいわ、とってもハンサムだし、ゆーちゃんが生まれるときから側についててくれた人だもの、これも、きっと運命の赤い糸か何かなのよ。彼なら、とっても大切にしてくれそうだものね!!」
コンラッドが、爽やかな笑顔でお袋に微笑む。
その眩しい笑顔に、お袋はすでに悩殺されている。
「はい、母上。私は、彼のことを魂のときから、見守ってきました。そして、これからも生涯をかけて彼を守り抜くと誓います」
「はぁ~~。なんて、甘い言葉なんでしょう。ゆうちゃんの、し・あ・わ・せ・者っ!」
お袋は、黄色い声を上げて大はしゃぎしている。
でも、本当にコンラッドってキザな台詞が浮くことなく似合うよな・・・・。それだけ、カッコイイってことなんだよな。
そんな人から愛されて結婚できる俺は、なんて幸せなんだろう。
俺は、思わずうっとりと、自分の世界に入りかけていた。
ところが、動向を黙って見守っていた親父が苦い表情で口を挟む。
「でも、君。結婚って言うけどね、ここは一応地球だし、男に大事な息子をあげたくないって気持ちはわかってくれないかな?」
ななな、なんてこというんだよ、馬鹿親父!
「ちょっと、親父!それはいくらなんでも、コンラッドに失礼だよ!眞魔国では男同士の結婚も普通なんだしさ。男ってだけで、けちつけたら、元も子もないじゃん!」
俺は、必死にコンラッドを弁護する。けれど、コンラッドは、そんな俺を柔らかく窘める。
「ユーリ、今は俺が父上と話をしているときだから、少し待ってて」
真剣な眼差しで、言う彼に俺は何も言えなくなってしまう。
そんな、コンラッド。コンラッド一人で、苦労をしょいこむことないのに。俺がフォローしてやるのに。
・・・・・・それだけ、真剣なのか。
どうしても、俺の親父に結婚を認めて欲しい、自分の言葉で認めてもらいたい、そんな気迫をコンラッドから感じる。
コンラッドは、親父に話を続ける。
「貴方は15年前に、私に会っているはずです。ユーリの魂をこちらへ届けに来た私に会いましたね。あの時の私は、いろいろと気持ちが荒んでいたのです。そのせいで、私は貴方から説教を受けたのです。そんな顔をした投げやりなやつにはユーリを渡せない、眞魔国に渡させない、といわれたのです」
真剣な表情で、親父に語るコンラッド。誰もが、彼の熱い言葉に耳を傾ける。
「その時からです。貴方の説教のおかげで目が覚めました。私は、当時の荒んでいた気持ちから解放されて、これからの未来へと気持ちが動いたのです。ユーリの魂をとても愛しく感じました。何者にも負けぬ強い愛をそそぐと。必ず、彼を眞魔国に連れ戻すと誓いました」
遠くを見るような、懐かしい目をして語るコンラッド。
「そう、ユーリを貴方からこちらの世界へ渡してもらうためにも、私はよく笑うようになりました。そして、守るべきものを得てから、私は強くなりました。何かにつけて批判的だった性格は、すっかり影をひそめました。つまり、今の誇れる自分を手に入れられたのは全て、ユーリのおかげなのです。彼なしでは、もう私は存在しないようなものなんです」
彼の親父への熱い説得に、俺自身も再び愛を告白されているようで、目頭があつくなる。
この前、夕日の映える春の丘で、コンラッドが俺に語ってくれた愛の告白と同じだった。
コンラッドは、一呼吸をおくと熱い言葉を再開させる。
「父上、今日は再び貴方にお願いに参りました。以前は、ユーリを15歳まで育てる手助けをしてもらい、15歳になったら眞魔国に王として身柄を引き渡してもらう、というお願いでした」
コンラッドは、にわかに俺の左手を握り締める。
「父上、どうか息子さんを、一生涯、私に引き渡してもらえませんか?」
彼の熱い言葉の余韻に浸るような沈黙が訪れる。
お袋が、心配したような顔をして親父を見つめる。
「勝ち馬くん?」
長い沈黙を破るようにして、親父が晴れやかな笑顔を見せる。
「・・・・全く!コンラッド、君には参ったよ。全面降伏だよ。こんなに、息子のことを大事に思ってくれるやつに、性別うんぬんで、けちをつけられるかっての」
にかっと、快活な笑顔で微笑む親父。
「うちのせがれをよろしく頼むぞ、コンラッド君!」
コンラッドが、この上ない幸せな表情で親父に微笑む。
「ありがとうございます!父上。俺の命に代えてもユーリをお守りし、愛し抜くと誓います」
コンラッド。命をかけるのは、だめだけどね・・・・。だけど、コンラッド本当に幸せそうに微笑んじゃって・・・て、俺もさっきから顔が崩れまくってるんだけど。
俺と、コンラッドは、二人で最高に幸せだ、という顔をして見詰め合う。
ところが、ずっと忘れていた黒いオーラを放つ存在にやっと気がついた。しょ、勝利!!
勝利は、地響きのするような低い声で呻き声をあげる。目は据わっていて、鈍い光を宿している。薄く開けられた凶暴な口。
「コーンーラートーぉぉぉぉぉぉぉ」
うひー、こわい、こわすぎる、これが兄貴だなんて思いたくない・・・・です。
けれど、コンラッドは何事もないように、にっこりと勝利に微笑みかけている。
つ、強すぎです・・・・・コンラッド。
「俺はー、まだ、お前にゆーちゃんをやるとー、決めてはおらんぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
コンラッドの胸倉を掴んで、凄む勝利。
「ちょっと、馬鹿勝利!!いいかげんにしろよな!!なんで、兄貴に反対する権限があるんだよ!親父がいいって言ったんだから、万事ビーオーライトだろ?!」
途端に、勝利がこちらに抱きついてくる。
うげげ、しまった。
「ゆーちゃん、あいつにどうやってたぶらかされたかしらんが、目を覚ませ。お兄ちゃんの側にいたほうが安泰だぞ、なんたって、地球の次期魔王なんだからな!!」
してやったり、といった顔でコンラッドを見下す勝利。
「仲がいい兄弟で微笑ましいですね、母上、父上」
優雅に微笑むコンラッド。全く、勝利の発言など気にしていない様子だ。
そのコンラッドの態度に、ますます腹をたてる勝利。再び、コンラッドに詰め寄る。
「ウェラー卿コンラートーぉぉぉぉぉ!」
その時だった。コンラッドの衣服がまばゆい七色の光を放つ。コンラッドの衣服が奇妙な電子音を出してメッセージを伝える。
「ぱんぱかぱーん!!おめでとうございます!!陛下、ウェラー卿!晴れて、結婚を認められたお二人に、心よりお祝い申し上げます!!」
勝利は、慌てふためき、コンラッドの衣服に語りかける。
「おい、お前!!俺はまだ認めていないぞぉぉぉぉぉぉ!!」
ピコン・・・・ピコン・・・・・ピコン
おかしな電子音が鳴り響く。まるで、タイマーのような音が。
な、なんだ、何か嫌な予感がするぞ。そういや、この服アニシナさん作だったよな・・・
誰もが、コンラッドの衣服に注目している。次の動向を注意深く見守っている。
「それでは、お二人は誓いのキスをしてください。あと、5秒以内にキスしない場合は、この服は消滅してしまいます。さぁ、早く!!!」
しょ、消滅って?!おいおいおいおい!!!コンラッドの全裸がここで晒されるってことか?!そ、それは、きついでしょ?俺ならともかく、コンラッドのキャラじゃないし!!!
コンラッドのためなら、俺、公衆の面前でも、例え、家族の前でも、構わない。キスしてやるからな!!
呆然と立ち尽くす、勝利を押しのけて、コンラッドの首の後ろに両手を回す。ぐっと背伸びをして、コンラッドの唇に、自身の唇を重ね合わせる。
そっと、唇を離すとコンラッドが優しく微笑んでくれる。
俺も、そっと微笑み返す。
「パンパカパーン!!おめでとうございます!!衣服の消滅は防がれました!!いつまでも、お幸せに!!」
それだけ、言い残すと、コンラッドの服から光が消え去り、すっかり元通りの服に戻る。
「いや~ん、ゆうちゃんてば積極的!!とっても素敵だったわ。ママは、10歳は若返っちゃったわ」
お袋の黄色い声が部屋に響く。親父も、優しい笑顔で俺たちを見守っている。
なぜか、勝利までもが俺たちのことを暖かく見守っている。勝利は、コンラッドの肩をぽんぽんと叩いて言う。
「コンラッド、ユーリをよろしく頼む」
な、なんだよ。今までの気迫はどこへいったんだ。何が、彼を落ち着かせたんだ?!まぁ、落ち着いてくれて助かったんだけど・・・・。
少し、切なそうに言葉を続ける。
「負けたよ・・・・コンラッド。恥ずかしがりやのゆーちゃんが、俺たちの見てる前でためらうことなくキスするなんて、あんた愛されてるよ。おまけに、キスをするときのあのゆーちゃんの顔。ギャルゲーのヒロインがプレイヤーにフォールインラブのときの、甘い顔と同じだったよ。あああぁ!!悔しいけど、あんたにゆーちゃんを譲ってやるよ」
って、またギャルゲー話ですか。あんたは、いつもギャルゲー基準なんですかい?
コンラッドが、勝利ににっこりと微笑む。
「ありがとう、兄上。必ず、ユーリを幸せにしますから」
勝利が、慌てて訂正する。
「兄上いうな、弟の婚約者!!」
コンラッドが、勝利に眞魔国から持ち込んだ手土産を渡す。
「兄上、これをどうぞ」
がさごそと、包装紙を破る勝利。出てきた、中身に、狂喜する勝利。
「うぉぉぉぉ!こ、これは、なかなか手に入らないギャルゲーソフト『嫁コレクションvol.5』じゃないかぁぁ。しょ、しょうがないな、コンラッド。お前に、兄上と呼ばせてやってもよいぞ」
す、すごい、コンラッド。勝利の嗜好を知り尽くした選択。もはや、完璧すぎて言葉も出ない。
兄上と呼ばせてやるとまで言わせてるし・・・・・。村田でさえ、『渋谷のお兄さん』と呼ぶことを認められていない言うのに。
すかさずに、コンラッドは、お袋と親父にも手土産を渡す。
すぐさま、二人の大歓声が上がる。
「まぁ、なんて、可愛らしくて素敵なドレス!!それもこんなにた~くさん!!コンラッドさんて、なんて気が利く素敵な婚約者さんなんでしょう!!」
「こ、これは!!秘蔵の酒『魔王』じゃないか!!ありがとう、コンラッド君!!私の嗜好をよく知ってるじゃないか。君とは仲良くやっていけそうだよ」
皆、すっかりコンラッドのことを気に入ったみたい。よかった!!なんか、俺がフォローなんてするまでもなく、やっぱりコンラッドは、いつも完璧になんでもこなしちゃうんだからな。全く。
でも、本当によかった。
皆に祝福されて、とても幸せだよ、な、コンラッド。
俺は、コンラッドに微笑みかける。
えぇ、とても幸せです、ユーリ。
コンラッドが俺にウィンクして応える。
こんなに頼りになるコンラッドとなら、俺きっとどんな困難だって乗り越えて見せるから!!
第四話 =完
※コンラッドとユーリが渋谷家に結婚報告に行くお話です。捏造しすぎですみません(汗
今日は、地球では『大安』。万事に良いとされる日。
俺と、コンラッドは今日はなんと、結婚報告に俺の実家に行くことになっている。
眞魔国では、同性同士の結婚が認められているのも手伝って、こちらではすんなりと俺達の結婚話が進められている。
でも、地球では同性同士の恋愛さえ難しい。世界には同性の結婚を認めている国もあるけれど、日本では到底ありえない話だ。
おまけに、あの口うるさい勝利までいる。お袋は、今まではヴォルフラムが婚約者だと思っているし。頭の固い親父が認めてくれるものかどうか・・・・・。
うぅ、前途多難だ。
がっくりと、肩を落とす俺に心配そうに声をかけるコンラッド。
「ユーリ、どうしましたか?」
俺は、コンラッドのほうを振り返る。
思わず、彼に見惚れてしまう。
すごい、カッコイイ。コンラッド、正装姿が凛々しすぎだよ。背後に、薔薇が見えるのは気のせいか?!
肩章のついたミリタリースタイルの白ジャケット。胸元に煌く勲章。白地に映える、金の飾り釦。斜めに掛けられた金のジャガードの飾り帯。白のスラックス。
なんか、シンデレラに出てくる王子様の格好と同じじゃないか?!
怪訝な顔で俺を見つめる王子コンラッド。
「どうしましたか、ユーリ。顔が随分と紅いようですが?」
言えない、コンラッドに見惚れて紅くなったなんて、言えないよ、俺。
「ななな、なんでもないし」
俺は、不自然に、顔を逸らしてしまう。
コンラッドが、困った顔で俺を見つめる。
「ユーリ?もしかして・・・・私のこの格好はおかしいですか?その・・・貴方の家に、正式に結婚を報告に行くにはあまり似つかわしくない格好でしょうか?」
俺は、顔をぶんぶんと大げさに横に振りながら答える。
「そんなこと、断じてありませんから!!」
ますます怪訝な顔をしてコンラッドが俺を見つめる。
「それなら、どうして貴方はそんなにそわそわしているのですか?おかしな格好の俺に気を使っているのではないですか」
これ以上婚約者を困らせるのも悪いし、俺は、素直に白状することにした。
「だって、だって・・・・・その格好がコンラッドにあまりにも似合いすぎて、王子みたいだし・・・・・格好いいなって・・・思って・・・」
恥ずかしくて、俯く俺。
「ユーリ、ありがとう。私も今日はとても緊張していて、貴方の言動を気にしすぎてしまったようです。すみません」
優しく俺を抱き締めるコンラッド。
そうだった。コンラッドは、今日、俺の親に結婚の報告をしないといけないんだからきっとすごく緊張しているんだ。俺がもっとしっかりしてやらなきゃな。コンラッドの腕の中からそっと彼の顔を見上げる。
「コンラッド、うちの親とか兄貴は、ご覧の通りちょっと変わってて一筋縄ではいかないかもしれないけど、絶対に俺達のこと認めてもらおうな!」
俺の身体をきつく抱きしめなおすコンラッド。
「えぇ!貴方との結婚のためなら、例えどんなに反対されようとも、認めてもらうまで引き下がりませんから」
コンラッドが、優しく、俺の額に口付けをする。
にわかに、聞き覚えのある明るい声が聞こえてくる。
「渋谷~、取り込み中のところ悪いんだけど、そろそろ向こうに送る荷造りも終わったよ」
突然の、村田の声に慌てて振り返る俺。
今の全部、聞かれてた?うわぁ、ちょっと恥ずかしいかも。
「わわ、わかった。今行きます!!」
大量の荷物と共に、俺とコンラッドは渋谷家の狭い浴槽に辿り着く。
何とか、無事にスタツアできたみたいだな。それにしても、スタツアするってことは、服も水浸しだよな。コンラッド、せっかく正装したのに、水浸しになっちゃって、落ち込んでないかな?
彼のほうをそっと見遣る。けれど、髪の毛こそは濡れているけども、服は全く濡れていない。
疑問に思った俺は、コンラッドに尋ねる。
「コンラッド、どうして服が濡れてないんだ?」
にこり、と微笑むコンラッド。
「アニシナさんの協力で作られた特別な衣服なんです。おかげで、ほらこのように服は全く濡れていません」
改めて、俺はまったく濡れていない衣服に、感心する。
「へぇ、すごいな。本当に濡れていないな」
でも、アニシナさんの発明品ってたまに、とんでもない事態を巻き起こすことがあったからなぁ。それが、少し心配だけど。
でも、俺達のために、こんな服まで研究してくれてたなんて、すごく嬉しいな。
ありがとう、アニシナさん。
俺は、心の中でそっとお礼を言う。
俺達は、洗面所で、髪を乾かして身なりを整える。防水パックから、荷物を取り出すと、堅い足取りで、居間へと向かう。
コンラッドは、戦地へ赴くときのような、険阻な表情をしている。
うわぁ、コンラッド。気合入っているんだ。そんなに、緊張しちゃってて、ちょっと気の毒になってくるよ。うちの家族が、コンラッドを絶対気に入るように、俺も全力で協力するからな!!
居間に行くと、ソファに座る親父と、勝利がいる。お袋は、俺達の姿を見ると、黄色い声を上げて立ち上がる。
「まぁ、コンラッドさんてば、素敵な衣装ね。王子様みたいよ!!」
お袋はひとしきり騒いだ後、お茶の用意に向かう。
「ささ、お茶を用意するわ。二人とも、好きなところに座ってちょうだいね」
お袋とは対照的に、こちらではお通夜のように暗く重い空気が流れている。俺が大切な話があるから日曜日は開けておくようにと、家族に頼んだのだが。そんなことを今まで言ったことのない俺の言動に、かえってとんでもないことが起きるのでは・・・・と親父と勝利を身構えさせてしまったのかもしれない。
もしかして、俺が魔王をやっている関係で、命にかかわる危険が出てきた・・・・みたいな重要報告をすると思ってるのかも?
親父も、勝利も、眉間に皺を寄せて、地面の一点を見つめ続けている。
おい、俺達の方を見てくれよ。親父!勝利!
あぁ、むしろ、婚約者を連れてくるからって言っておいたほうが、ここまで緊迫した空気を生み出さずに済んだのかも。あぁ、馬鹿な俺でごめん、コンラッド。
誰も、一言もしゃべらない。緊迫した空気が張り詰める。
だ、だめだ、話し出すタイミングが掴めない!!
「もう、皆。何固まっちゃってるのかしら。さぁ、お茶よ。お茶。クッキーもあるわ。仲良くいただきましょう」
お袋の明るい声に、場の雰囲気が和らぐ。
ありがとう、お袋。助かったよ。よし、俺も、しっかりしなきゃな。勇気が沸いてきたよ。
俺は、意を決して発言する。
「・・・・・実は、今日は皆に聞いてもらいたい大切なことがあるんだ!」
俺の発言に、家族の視線が突き刺さる。
うわぁ、ちょっと、視線が痛いです。でも、俺、頑張って言います!!
「お、俺たち、結婚します!こちらが、俺の婚約者のウェラー卿コンラッドさんです」
親父も、勝利も、お袋も、ぽかんと口を開けて俺達を交互に見つめる。
まっさきに、口を開いたのは、お袋だった。
彼女の黄色い声がリビングに響き渡る。
花が咲いたようにぱぁっと部屋の中が明るくなる。
「まぁ~~~。ゆうちゃん?確か、前の婚約者はヴォルフラムちゃんだったんじゃない?あらあら」
俺のことをじっと見つめると、悪戯な顔をして微笑むお袋。
「ゆうちゃんってば、小悪魔さんだったのね。そう、コンラッドさんと、結ばれることになったのね。いいわ、とってもハンサムだし、ゆーちゃんが生まれるときから側についててくれた人だもの、これも、きっと運命の赤い糸か何かなのよ。彼なら、とっても大切にしてくれそうだものね!!」
コンラッドが、爽やかな笑顔でお袋に微笑む。
その眩しい笑顔に、お袋はすでに悩殺されている。
「はい、母上。私は、彼のことを魂のときから、見守ってきました。そして、これからも生涯をかけて彼を守り抜くと誓います」
「はぁ~~。なんて、甘い言葉なんでしょう。ゆうちゃんの、し・あ・わ・せ・者っ!」
お袋は、黄色い声を上げて大はしゃぎしている。
でも、本当にコンラッドってキザな台詞が浮くことなく似合うよな・・・・。それだけ、カッコイイってことなんだよな。
そんな人から愛されて結婚できる俺は、なんて幸せなんだろう。
俺は、思わずうっとりと、自分の世界に入りかけていた。
ところが、動向を黙って見守っていた親父が苦い表情で口を挟む。
「でも、君。結婚って言うけどね、ここは一応地球だし、男に大事な息子をあげたくないって気持ちはわかってくれないかな?」
ななな、なんてこというんだよ、馬鹿親父!
「ちょっと、親父!それはいくらなんでも、コンラッドに失礼だよ!眞魔国では男同士の結婚も普通なんだしさ。男ってだけで、けちつけたら、元も子もないじゃん!」
俺は、必死にコンラッドを弁護する。けれど、コンラッドは、そんな俺を柔らかく窘める。
「ユーリ、今は俺が父上と話をしているときだから、少し待ってて」
真剣な眼差しで、言う彼に俺は何も言えなくなってしまう。
そんな、コンラッド。コンラッド一人で、苦労をしょいこむことないのに。俺がフォローしてやるのに。
・・・・・・それだけ、真剣なのか。
どうしても、俺の親父に結婚を認めて欲しい、自分の言葉で認めてもらいたい、そんな気迫をコンラッドから感じる。
コンラッドは、親父に話を続ける。
「貴方は15年前に、私に会っているはずです。ユーリの魂をこちらへ届けに来た私に会いましたね。あの時の私は、いろいろと気持ちが荒んでいたのです。そのせいで、私は貴方から説教を受けたのです。そんな顔をした投げやりなやつにはユーリを渡せない、眞魔国に渡させない、といわれたのです」
真剣な表情で、親父に語るコンラッド。誰もが、彼の熱い言葉に耳を傾ける。
「その時からです。貴方の説教のおかげで目が覚めました。私は、当時の荒んでいた気持ちから解放されて、これからの未来へと気持ちが動いたのです。ユーリの魂をとても愛しく感じました。何者にも負けぬ強い愛をそそぐと。必ず、彼を眞魔国に連れ戻すと誓いました」
遠くを見るような、懐かしい目をして語るコンラッド。
「そう、ユーリを貴方からこちらの世界へ渡してもらうためにも、私はよく笑うようになりました。そして、守るべきものを得てから、私は強くなりました。何かにつけて批判的だった性格は、すっかり影をひそめました。つまり、今の誇れる自分を手に入れられたのは全て、ユーリのおかげなのです。彼なしでは、もう私は存在しないようなものなんです」
彼の親父への熱い説得に、俺自身も再び愛を告白されているようで、目頭があつくなる。
この前、夕日の映える春の丘で、コンラッドが俺に語ってくれた愛の告白と同じだった。
コンラッドは、一呼吸をおくと熱い言葉を再開させる。
「父上、今日は再び貴方にお願いに参りました。以前は、ユーリを15歳まで育てる手助けをしてもらい、15歳になったら眞魔国に王として身柄を引き渡してもらう、というお願いでした」
コンラッドは、にわかに俺の左手を握り締める。
「父上、どうか息子さんを、一生涯、私に引き渡してもらえませんか?」
彼の熱い言葉の余韻に浸るような沈黙が訪れる。
お袋が、心配したような顔をして親父を見つめる。
「勝ち馬くん?」
長い沈黙を破るようにして、親父が晴れやかな笑顔を見せる。
「・・・・全く!コンラッド、君には参ったよ。全面降伏だよ。こんなに、息子のことを大事に思ってくれるやつに、性別うんぬんで、けちをつけられるかっての」
にかっと、快活な笑顔で微笑む親父。
「うちのせがれをよろしく頼むぞ、コンラッド君!」
コンラッドが、この上ない幸せな表情で親父に微笑む。
「ありがとうございます!父上。俺の命に代えてもユーリをお守りし、愛し抜くと誓います」
コンラッド。命をかけるのは、だめだけどね・・・・。だけど、コンラッド本当に幸せそうに微笑んじゃって・・・て、俺もさっきから顔が崩れまくってるんだけど。
俺と、コンラッドは、二人で最高に幸せだ、という顔をして見詰め合う。
ところが、ずっと忘れていた黒いオーラを放つ存在にやっと気がついた。しょ、勝利!!
勝利は、地響きのするような低い声で呻き声をあげる。目は据わっていて、鈍い光を宿している。薄く開けられた凶暴な口。
「コーンーラートーぉぉぉぉぉぉぉ」
うひー、こわい、こわすぎる、これが兄貴だなんて思いたくない・・・・です。
けれど、コンラッドは何事もないように、にっこりと勝利に微笑みかけている。
つ、強すぎです・・・・・コンラッド。
「俺はー、まだ、お前にゆーちゃんをやるとー、決めてはおらんぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
コンラッドの胸倉を掴んで、凄む勝利。
「ちょっと、馬鹿勝利!!いいかげんにしろよな!!なんで、兄貴に反対する権限があるんだよ!親父がいいって言ったんだから、万事ビーオーライトだろ?!」
途端に、勝利がこちらに抱きついてくる。
うげげ、しまった。
「ゆーちゃん、あいつにどうやってたぶらかされたかしらんが、目を覚ませ。お兄ちゃんの側にいたほうが安泰だぞ、なんたって、地球の次期魔王なんだからな!!」
してやったり、といった顔でコンラッドを見下す勝利。
「仲がいい兄弟で微笑ましいですね、母上、父上」
優雅に微笑むコンラッド。全く、勝利の発言など気にしていない様子だ。
そのコンラッドの態度に、ますます腹をたてる勝利。再び、コンラッドに詰め寄る。
「ウェラー卿コンラートーぉぉぉぉぉ!」
その時だった。コンラッドの衣服がまばゆい七色の光を放つ。コンラッドの衣服が奇妙な電子音を出してメッセージを伝える。
「ぱんぱかぱーん!!おめでとうございます!!陛下、ウェラー卿!晴れて、結婚を認められたお二人に、心よりお祝い申し上げます!!」
勝利は、慌てふためき、コンラッドの衣服に語りかける。
「おい、お前!!俺はまだ認めていないぞぉぉぉぉぉぉ!!」
ピコン・・・・ピコン・・・・・ピコン
おかしな電子音が鳴り響く。まるで、タイマーのような音が。
な、なんだ、何か嫌な予感がするぞ。そういや、この服アニシナさん作だったよな・・・
誰もが、コンラッドの衣服に注目している。次の動向を注意深く見守っている。
「それでは、お二人は誓いのキスをしてください。あと、5秒以内にキスしない場合は、この服は消滅してしまいます。さぁ、早く!!!」
しょ、消滅って?!おいおいおいおい!!!コンラッドの全裸がここで晒されるってことか?!そ、それは、きついでしょ?俺ならともかく、コンラッドのキャラじゃないし!!!
コンラッドのためなら、俺、公衆の面前でも、例え、家族の前でも、構わない。キスしてやるからな!!
呆然と立ち尽くす、勝利を押しのけて、コンラッドの首の後ろに両手を回す。ぐっと背伸びをして、コンラッドの唇に、自身の唇を重ね合わせる。
そっと、唇を離すとコンラッドが優しく微笑んでくれる。
俺も、そっと微笑み返す。
「パンパカパーン!!おめでとうございます!!衣服の消滅は防がれました!!いつまでも、お幸せに!!」
それだけ、言い残すと、コンラッドの服から光が消え去り、すっかり元通りの服に戻る。
「いや~ん、ゆうちゃんてば積極的!!とっても素敵だったわ。ママは、10歳は若返っちゃったわ」
お袋の黄色い声が部屋に響く。親父も、優しい笑顔で俺たちを見守っている。
なぜか、勝利までもが俺たちのことを暖かく見守っている。勝利は、コンラッドの肩をぽんぽんと叩いて言う。
「コンラッド、ユーリをよろしく頼む」
な、なんだよ。今までの気迫はどこへいったんだ。何が、彼を落ち着かせたんだ?!まぁ、落ち着いてくれて助かったんだけど・・・・。
少し、切なそうに言葉を続ける。
「負けたよ・・・・コンラッド。恥ずかしがりやのゆーちゃんが、俺たちの見てる前でためらうことなくキスするなんて、あんた愛されてるよ。おまけに、キスをするときのあのゆーちゃんの顔。ギャルゲーのヒロインがプレイヤーにフォールインラブのときの、甘い顔と同じだったよ。あああぁ!!悔しいけど、あんたにゆーちゃんを譲ってやるよ」
って、またギャルゲー話ですか。あんたは、いつもギャルゲー基準なんですかい?
コンラッドが、勝利ににっこりと微笑む。
「ありがとう、兄上。必ず、ユーリを幸せにしますから」
勝利が、慌てて訂正する。
「兄上いうな、弟の婚約者!!」
コンラッドが、勝利に眞魔国から持ち込んだ手土産を渡す。
「兄上、これをどうぞ」
がさごそと、包装紙を破る勝利。出てきた、中身に、狂喜する勝利。
「うぉぉぉぉ!こ、これは、なかなか手に入らないギャルゲーソフト『嫁コレクションvol.5』じゃないかぁぁ。しょ、しょうがないな、コンラッド。お前に、兄上と呼ばせてやってもよいぞ」
す、すごい、コンラッド。勝利の嗜好を知り尽くした選択。もはや、完璧すぎて言葉も出ない。
兄上と呼ばせてやるとまで言わせてるし・・・・・。村田でさえ、『渋谷のお兄さん』と呼ぶことを認められていない言うのに。
すかさずに、コンラッドは、お袋と親父にも手土産を渡す。
すぐさま、二人の大歓声が上がる。
「まぁ、なんて、可愛らしくて素敵なドレス!!それもこんなにた~くさん!!コンラッドさんて、なんて気が利く素敵な婚約者さんなんでしょう!!」
「こ、これは!!秘蔵の酒『魔王』じゃないか!!ありがとう、コンラッド君!!私の嗜好をよく知ってるじゃないか。君とは仲良くやっていけそうだよ」
皆、すっかりコンラッドのことを気に入ったみたい。よかった!!なんか、俺がフォローなんてするまでもなく、やっぱりコンラッドは、いつも完璧になんでもこなしちゃうんだからな。全く。
でも、本当によかった。
皆に祝福されて、とても幸せだよ、な、コンラッド。
俺は、コンラッドに微笑みかける。
えぇ、とても幸せです、ユーリ。
コンラッドが俺にウィンクして応える。
こんなに頼りになるコンラッドとなら、俺きっとどんな困難だって乗り越えて見せるから!!
第四話 =完
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