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2009.4.22設置 『今日からマ王』メインです。 
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ショートストーリー  第六編 舞踏会の秘め事

※PS2『今日からマ王 眞魔国の休日』内の舞踏会で、コンラッドから「恋人として一晩過ごしませんか」とユーリがいわれたエピソードの続きを捏造します。さんざん、既出ネタなのかもしれませんが(汗    ちなみに本編では、ヴォルフラムに二人で過ごすことを阻止されます。



 今宵は、眞魔国の天下一舞踏会。


 弓張り月が輝く中、ひときわ美しく血盟城が浮かび上がる。


 宮廷楽団の弦の音に、お喋りがはずむ貴族達。テーブルに並べられる、あまたの料理や酒。

 


「でも、よかった。パートナーがコンラッドで」
俺は、安堵してコンラッドを見上げる。


 この舞踏会は、少し変わっていた。暗闇の中で、いっせいに手を出して、偶然に繋がった相手がダンスのパートナーになる。おまけに、この舞踏会は金の出場札とやらを探し出し、もしくは、格闘してでも奪いあい、勝ち取った組に、優勝候補の資格が与えられるのだとか。
 

 そんな物騒な競技なら、なおさら、コンラッドと組で安心ってもんだ。


 そう、コンラッドとなら安心だと思っていたのに、違う意味で俺は危険に晒されることになった。


 俺達は、いつの間にか人気の少ない、裏庭の側の通路にいた。近くの草むらから、涼やかな虫の音が聞こえる。
「ユーリ?これからも、競技を続行しますか?それとも・・・・・」
 コンラッドは甘く俺を見つめると、低い声で俺に囁く。


「俺と部屋で過ごしませんか?」
 魅惑的なコンラッドの瞳に、俺の鼓動は早くなる。


 何・・・・こんなコンラッド・・・・・初めて見る。すごく、艶っぽい。
 それに、どういう意味?まさか?
「そ、それって?」
 俺が、コンラッドに尋ねる。


 にこりと、優雅に微笑んでコンラッドが言う。


「金の出場札をやっきになって探しているのは、若い貴族だけなんですよ。競技には参加せずに、高みの見物を決め込んで恋人との甘い一夜をすごす者も多いんですよ」


 俺を、甘く見つめると再び俺に尋ねるコンラッド。
「さぁ、どうしますか?ユーリ」


 そ、そんなこと急に言われても・・・・。なんかコンラッドいつもとちょっと違うし。いつもより積極的って言うか・・・・。数段甘いっていうか。


とっさに、言い訳を考える俺。
「でも、二人で過ごしてたら、皆に怪しまれるんじゃないかな?」


 コンラッドが、不敵な笑みを浮かべる。
「いいえ、ユーリ。今宵は舞踏会です。今晩のように騒がしい日は、皆各々のことで精一杯でしょう。それに」


 コンラッドは、俺に顔をうんと近くまで寄せると、甘く低い声で囁く。茂みの中で、鳴いていた虫さえも、鳴くのを遠慮してしまうような甘い雰囲気。
「誰も、俺達が一緒にいることを知りません。ユーリ・・・・」


 熱く切ないコンラッドの吐息が俺の唇に吹きかかる。コンラッドの熱を帯びた甘い瞳に見つめられる。



 俺は、熱に浮かされたように、思わず言葉が口から漏れてしまう。


「うん・・・・・。コンラッドと・・・・部屋に行こうかな」
 俺は、そう返事をすることがどういう意味になるのかなど、全く、考えていなかった。ただ、いつもと違うコンラッドの熱っぽさと甘さに酔わされてしまったのかもしれない。


 コンラッドは、そんな俺の返事を聞くと、目を細めて俺に微笑む。
「陛下、では今夜一晩貴方にお供致します」


 さらり、と髪を掻き揚げて、俺を見つめるコンラッド。扇情的な瞳。思わず息を呑んでしまう。


 自然な仕草で、コンラッドは俺の右肩に自身の右手を置く。俺は、彼に肩を抱かれながら、操られ人形のように、歩を進める。


 初めての事態に、ひどく心が揺れ惑う。鼓動がどんどん早くなる。


 そんな俺の気持ちを知ってか、知らずか、コンラッドは歩みながら俺に優しく微笑みかけてくる。 



 気がつくと、もう俺達はコンラッドの部屋の前に来ていた。




≪裏へ続く≫
 入り口は、下のほうです。18歳以上推奨です(汗

 ショートストーリー第六編 裏面  18歳以上推奨です。


 
部屋に着くと、コンラッドは、俺をベッドの上に座らせる。


 そそ、そんな、まさか、いきなり??!!


「何か、飲み物をお持ちしますね」
 俺の緊張した様子を見て取ったのか、柔らかく俺に微笑むと、その場を離れるコンラッド。


 俺は、安堵してほっと息を吐く。
 冷静な頭にもどった俺は、ふと疑問が沸く。
 なんで俺は初体験を迎える少女のような気持ちを味わうはめになってるんだろう。どうして、断らなかったんだろう。いくら、コンラッドの甘い雰囲気に酔わされたからとはいえ、本気になればいくらでも断れたはずなのに。


 思考をめぐらせていると、コンラッドが飲み物を持って戻ってくる。
「お待たせしました、すみません。どうぞ」


 そういうと、コンラッドは俺に紅茶を差し出す。マスカットのようなほろ苦い香りが、部屋に広がる。淡いオレンジ色の美味しそうな紅茶。


「地球で言うところのダージリンです。こちらでは、『紅茶のシャンパン』と呼ばれて、民からとても愛されている代物です。どうぞ、ストレートでお上がりください」
 

「ありがとう」
 俺は、コンラッドに微笑んでお礼を言う。さっきまでの、緊張した気持ちはふわりと、和らいだ。いつもの地球で飲むダージリンよりも、芳醇な香りが口腔内に広がって、優しい気持ちになる。


さすが、眞魔国の『紅茶のシャンパン』だけはあるな。


「すごく、おいしいよ、ありがとう。コンラッド」
 お礼を言う俺に、コンラッドは目を細めて応える。


 でも、俺はある事実に気づいて指摘する。
「あれ?!でも、紅茶はひとつしかないよ。コンラッドは飲まないの?」


「いいえ、いただきますよ」
 そういうと、コンラッドは素早く俺の唇に自身の唇を重ね合わせる。


 急な展開に俺は眼を白黒させる。

 
 そっと、唇を離すと、コンラッドは俺に微笑む。
「とても、甘くて美味しい紅茶ですね」
「コ、コンラッド!!き、キスした?!」
 恥ずかしくて、真っ赤になる俺の頭を優しく撫でるコンラッド。
「ユーリ?お替りはほしくありませんか?」


 そういうと、コンラッドはおもむろに紅茶を自身の口に含ませる。そして、俺の顎を掴むと上を向かせて、再びキスをする。


 刹那、俺の口内にコンラッドの口から紅茶が移される。ほろ苦く、でも甘い香りの紅茶が口の中に満たされる。含み切れなかった紅茶が、口端から、たらり、と伝い白いシャツをじわり、とオレンジ色に染める。


「あれ、服がよごれてしまいましたね。今、脱がせてあげますね」
 そういうと、コンラッドは、俺のシャツのボタンを器用に外していく。そして、俺はあっというまに上半身が裸になっていた。


夜風が入ってきて、少し肌寒い。でも、それ以上に恥ずかしくて、身体が火照る。上半身が裸になることは、男ならよくあるのに・・・・今はとてつもなく恥ずかしい。コンラッドに見つめられてるから。


「ユーリ、寒いですか、暖めてあげますね」
 そういうと、コンラッドは俺の首筋から鎖骨を通って、わき腹へ唇を這わせていく。


「んやっ・・・・・くすぐったい」
 くすぐったいのか気持ちのいいのかよくわからない刺激に、俺は翻弄される。


 コンラッドの唇が再び、俺のからだの上を蹂躙する。コンラッドは、俺の胸の隆起した部分を唇で挟んだり吸い上げたり、緩急をつけて刺激する。
「あぁ・・・あっ・・・・そん・・・・な!!」


 敏感な部分を執拗に攻められて、ぞくりと身体の芯が疼く。
 俺の中心にあるものは、服の上からでもわかるほどに隆起していた。


 「あれ、ユーリ。気持ちいいんですか。ここ、こんなになってますよ」
 眼を細めて、意地悪な顔で俺に微笑むコンラッド。そういうと、彼は俺のズボンを性急に脱がし、下着の中で窮屈になっていた俺自身を掴み上げる。コンラッドの大きくて形のいい手が俺のものを掴み、上下させる。 
「あぁ・・・あぁっ!!駄目だって!・・・そんなにし・・・・ちゃ・・・あっ!!」


 髪を振り乱して喘ぐ俺を、熱に浮かされたようにうっとりと見つめるコンラッド。
「とても・・・・可愛らしいです・・・・・ユーリ」


 突如、コンラッドが俺自身をその唇で咥える。優しく、激しく、浅く、深く、緩急をつけて俺を快楽に溺れさせていくコンラッド。
 初めて受ける感触の気持ちよさに、身体が蕩けてしまいそうになる。
「ふぁっ・・・あぁ・・・もう、駄目、そんなとこ・・・・・・そんなに・・・・あああぁっ!!」


 俺は、堪えることなど到底できずに、乳白色の液体を発散させてしまう。


 俺は、汗まみれになって、肩で息を吐き、ぐったりと横になる。
 コンラッドは、タオルで優しく俺の汗を拭いてくれる。丁寧に、愛おしく。


 そして、瞼に優しいキスを降らす。
 そして、少し困った顔で俺に謝る。
「貴方に、こんな無茶をするつもりはなかったのですが、愛おしい貴方を見ていたら衝動が抑えられなかったんです・・・・本当にごめんなさい。こういうことは、お互いの気持ちが通じてからするべきなのに」


 再び、優しく甘く俺を見つめるコンラッド。
「けれど、それほどに貴方は魅力的すぎるんです。俺の歯止めが利かなくなるほどなんですから、よっぽどです。貴方を誰よりも愛しています。ユーリ」


 コンラッドは、歯の浮くような台詞をさらりと言いのけて、再び優しく俺にキスをする。


 俺は、少しづつ、気づいてきてたんだ。ずっと、気づかない振りをして、自分の気持ちに蓋をしてきたけれど。

  俺も、コンラッドが好きなのだと思う。名付け親とか、臣下としてとかじゃない。一人の人として、恋人として、彼が好きなんだと思う。


「コンラッド?・・・・・あのさ、俺も・・・・多分、あんたのこと・・・・・その、す、す、好きなのかもなぁ~、なんて思う」


 一瞬、眼を丸くして固まるコンラッド。そして、幸せいっぱいの表情で俺に微笑む。
「光栄です、ユーリ。いつか、きっと『多分好き』じゃなくて、『大好き』と貴方に言わせてみせますからね」

 
 コンラッドの暖かくて甘い言葉に、俺はじん、としてしまう。目頭が熱くなる。


 ありがとう、コンラッド。こんなに俺のことを好きでいてくれて。


 それに、今日はコンラッドは、あれ以上のことはしてこなかった。俺だけ、気持ちよくしてくれて、自分の欲望を俺にぶつけてくることはなかった。


 きっと、俺の身を案じて、俺の気持ちを優先してくれたから、自分の欲望を抑え付けたのだと思う。



 俺は、嬉しくてたまらずにコンラッドに抱きつく。
「ありがとう、コンラッド」




 裏面=完

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