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2009.4.22設置 『今日からマ王』メインです。 
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2024/05/21 (Tue)                  [PR]
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原作『箱はマのつく水の底!』に収録されている番外編ネタをBL全開に捏造★ 
地球でバレンタインの時期のころ、眞魔国では花嫁選びをするとかいう記述がたった数行あったので、その内容で大幅に妄想することにしました(汗)



バレンタイン騒動?! 花嫁は誰だ?!(1)



 この世には、絶対に触れてはならないという禁忌の箱が4つある。けれど、お嬢さん、忘れてはいけない。紅い悪魔の存在を。



 スタツアするなり、水に濡れる俺と村田の前に姿を表したのは、まさしく彼女だった。眞魔国三大魔女の一人、アニシナ女史だ。

 けれど、自称婚約者のヴォルフラムでもなく、爽やか笑顔の名付親でもなく、まして汁だく王佐でもなく彼女が一番に出迎えに来たのは珍しい。
  いや、珍しいというか既に、地雷に脚を乗せているといってもいい。いや、そんな例え方したら、NPO法人が黙ってはいないだろうけど。
 
 高い位置で括った赤毛を揺らしながら、彼女は俺たちを眞王廟の噴水から引き上げた。その華奢な腕のどこにそんな力があるのか、いつも不思議に思う。

 けれど、いつもよりも好奇心に満ちた空色の瞳が、すいっと細められるのをみて、ドキッとした。恋愛感情のドキっ、じゃなくて、防衛本能のドキっ、だ。

 案の定、彼女の口から出た言葉に、俺のか弱い心臓は吹き飛んだ。

「陛下、猊下。お待ちしておりました。只今より、『ねるとん紅鯱団 俺を花嫁にして下さい』を開催いたします。さぁ、お二方ともこぞって会場へ脚をお運びください」


******
 『ねるとん紅鯱団 俺を花嫁にして下さい』

 なにやら地球のなつかしい告白番組のパクリみたいな、いかにも参加したくない大会名だ。なのに、なぜ? そんな怪しい大会に、俺は無理やり参加させられていた。

 しかも、何? 『俺を花嫁にして下さい』って?! 一人称が『俺』かよっ。花嫁候補は、男かよっ?!

   大会会場は、どうやら血盟城みたいだ。
 優雅な晩餐の間の中央には、いつもどおりの真っ白なリンネルのクロスが掛けられた円卓がある。ドーム型の天井からは、煌びやかなシャンデリアが吊られている。そこは、いつもどおりなんだけどさ・・・・・・。

 何この気まずい雰囲気は?!
 その円卓に、俺を取り囲むようにエプロン姿の男達が並んでいた。

 左隣には、青い軍服の上にピンクのフリフリエプロンのヴォルフラム。彼は、なぜかこちらを向いてくれない。かなり機嫌が悪そうだ。

  ヴォルフラムの隣には、緑の軍服の上に黒いシンプルなエプロンのグウェンダル。眉間の皺は、いつもの三割増しだ。

 グウェンダルの隣には、筋骨隆々の腕を剥き出しにするにはもってこい!のタンクトップの上に真っ赤なフリフリエプロンのグリエちゃん。今冬なのに寒そう。へ、い、か、と投げキスをお見舞いされた。うう。

 その隣には、カーキの軍服に青のチェックエプロンのコンラッド。にっこり笑うと・・・・・・保父さんみたい。

 そして、俺の右隣は空席で、その隣には、僧衣の上に、純白まっしろなフリフリエプロンのギュンター閣下がいる。鼻息が荒い。目からビームが出そう。こ、怖い。

 なんか、フリフリ率が異様に高いんですけど。何このパジャマパーティならぬエプロンパーティは?! しかも、俺だけエプロンは、未着用。学ランのみ。
 きっと、俺が遅れて参加するからエプロンは着用しないんだよな。なんて思っていたら、村田がひょっこりとやってきた。

 悪いね、遅れました~、といって晩餐の間に入ってきた村田は、白地に黒の水玉模様のエプロン姿だった。

 額から嫌な汗が伝う。俺だけが、エプロンを着用していないということは、つまり俺が、俺が、エプロン姿=花嫁の彼らの中から一人を選ばないといけないっていうのか?! 
 
「渋谷、ご名答! おそらく、今考えている通りだよん」
「村田?!」
 明るく陽気な声が、耳元で聞こえた。いつのまにか村田は俺の肩に手を置いて、意味深に笑う。

「俺のむか~し、昔の記憶だとさ、地球でバレンタインの頃に、眞魔国では花嫁選びをするっていう風習があったんだよねぇ。いやぁ、いいなぁ、渋谷は、もてもてでさぁ。おっと、フォンクライスト卿、失礼するね」

 そういうと、村田は俺の横の空席に腰を降ろした。
 俺の頭は、大パニックに陥った。地震と雷と火事と親父が一度に来たような未曾有の大惨事だ。

 だって、皆大切な仲間でこそあって、どうして嫁候補に?! そもそも、皆男ですからーーー!!

 あまりのことに、俺は口をぱくぱくさせるばかり。

 そんなとき、なぜかマイクを片手に持った大張り切りのダカスコスがやってきた。ついでに、メイドのドリア、ラザニア、サングリアもマイクを片手に意気揚々とやってきた。そして、うっとりとした顔のツェリ様と、胸をそらしたアニシナが後に続いた。

「いよいよやって参りました~! ついに、ついに、やって参りました~~!! 眞魔国の一大イベント陛下の花嫁探しっ! その名も『ねるとん紅鯱団 俺をお嫁にして下さい!!』がぁぁ」

 なぜかおお張り切りのダカスコスのあとに、変わらずテンションの高いドリアがメイド服の裾を翻しながらルールを説明する。

 ってか、何? なんで彼らはこんなにテンションが高いの? 俺が結婚すると彼らにいいことでもあるのか?(ユーリは知らない。陛下ご寵愛トトの存在を)

「では、簡単にルールをご説明致します!! え~と、今回は、仕事もプライベートもあなたに尽くします! な従者編です。日ごろ陛下を御守りする方々の中から選りすぐりのメンバーを集めました」

「な、何それ? もしかして、いろんなバージョンにこれから参加していかないといけないのか?!」
 たまらずに、村田に尋ねると苦笑いと共に肯定された。
「さすが、歴史は進化するね。バージョンアップしているみたいだ」
「ば、バージョンアップしないでほしかった・・・・・・」

 ひそひそ話す俺達に、アニシナさんの盛大な咳払いが響く。たまらず背筋がぴしっと伸びる。ついでにグウェンダルまでもが、姿勢を正す。

「え~とですねっ?! 花嫁候補の方は、陛下とツーショットでのデートをしていただきます。場所は、血盟城内ならどこでも大丈夫です。この特製巨大砂時計の砂が落ちるまでが勝負の時間ですっ! ちなみに、砂が落ちるのにはちきゅう?でいうところの三十分くらいらしいです。ウェラー卿情報でした」

 コンラッドのやつ、何を協力してるんだよ?!ちらりと彼を睨むと、爽やかスマイルで返された。青いチェックのエプロン姿が優しそう~。って、そうじゃなくてっ。

 ドリアが妖しげな物体を覆っている白いクロスをばさっと取りあげると、そこには、超巨大な砂時計が現れた。グレタの身長ほどありそうな代物だ。
 今日、彼女がカヴァルケードに留学中でよかったと胸を撫で下ろした。お父さんのこんなおかしなお見合いは見せられないもんな。教育上よくない。

 ドリアの説明後に、すかさずに、ツェリ様の桃色の声が飛ぶ。
「つまり、デート時間中なら、血盟城内の湯殿でも、寝室でもお使いになってよくってよっ」
「つ、ツェリ様っ」

 俺は、唖然とした。呼吸が浅くなっていく。俺を、どうさせたいんだよ?! 花嫁候補には、あなたの息子が三人も含まれているんですけど。

 いいのかよ? 結婚前に? 眞魔国って世界観が中世ヨーロッパっぽいのに、そういうところは意外と現代的。そういうところこそ、保守的であってほしかった。それより、旦那のはずの俺のほうが軽く貞操の危機なのは、なぜ? 

 村田の隣では、ギュンターが盛大に鼻血を噴いた。危険だ・・・・・・。彼は、特に要注意だ。

 
「全員とデートを終えた後、この晩餐の間で一斉に、花嫁達が『俺を花嫁にしてください』と手を出しますので、陛下は気になる方の手をとってください」

 うわ~、想像を絶する展開なんだ。人間、驚くことが立て続けに起こると、案外動じなくなってくるものらしい。きっと心の防衛機制ってやつね。たぶん。

 なぜか、急にしんみりとした声で、ドリアがルールの続きを説明し始めた。
「ですが、陛下が今回はどうしても花嫁を選べないという場合には『ごめんなさい』と彼らにお告げ下さいね」

 やった、俺、絶対にこの中から花嫁を選ばないといけないわけじゃないんだ!! それにしても、ドリアがひどく悲しそうだ。どうして俺がこの中から花嫁を選べないのが、ドリアにとってそんなに悲しいんだ?(ユーリは、知らない。陛下ご寵愛トトの・・・以下略)

 浮きたった気持ちはすぐさまアニシナさんのひとことで打ち砕かれた。

「ですが、陛下。誰か一人を花嫁に選べない場合は、一番良くなかった花嫁候補を一人お選びください。何事にも、勝負にはメ・リ・ハ・リがなくては面白みがありませんからね。けれども、慈悲深い私は最下位の花嫁候補に、なにも罰を与えようというわけではありません。名誉ある私の実験に一日中付き合っていただくまでですから」

 円卓を囲む花嫁候補達が、一斉に凍りついた。彼女の被害を最小限に留めている大賢者でさえ。グウェンダルや、ギュンターはいわずもがな。
 それにしても、えらいことになった。俺に重大責任がのしかかってきた。俺が、花嫁を一人選べない場合は、アニシナさんのモルモットを一人選ばないといけなくなってしまった。
 俺は、頭を抱えて円卓に突っ伏した。

 そんな俺の気持ちなどまるで構わずに、相変わらず威勢のいいダカスコスの声が、優雅な部屋に響き渡る。
「それでは、只今を持ってねるとん紅鯱団 俺をお嫁にしてください! を開催いたします!!」


★あとがき★

 とりあえず、前ぶり終わりです。
 次は、ツーショットデートです。コンユサイトなので、コンユ好きにおいしい展開にはしたいですっ。
 とはいえユーリ総受けな爽やかに、微エロ?も目指します。ギャグが多いかもしれませんが。なんだかんだで、ユーリがちやほやされるのが好きなんだよなぁ。

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