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2009.4.22設置 『今日からマ王』メインです。 
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2009/04/25 (Sat)                  パラレルな世界 ~学園編~ 第四話
第四話  学年主任のグウェンダル??



※グウェンダルに生活指導をされる(笑お話です。







 んぁ~、よく寝たな。もぞもぞと動きながら布団を捲り上げる。


 すると、そこには眉間にしわが3本も刻まれた、超絶な仏頂面があった。


「う、うわ~~!!って、グウェンダルじゃん。もうなんだよ、起き抜けにそんな険しい顔見たらびっくりするじゃん!」


 すると、グウェンダルは少し困った顔をして謝る。
「すまない。この顔は、生まれつきだからな。脅かすつもりはなかったんだ。いや、それより健康優良児のお前が保健室で寝ているだなんて聞いたからびっくりしたのだ。」


 あぁ、なんだ。グウェンダルは俺のことを心配してきてくれたんだ。なんか嬉しいかも。
「ありがとう、それでグウェンダルは俺のことを心配して診に来てくれたんだね?」
にっこりとグウェンダルに微笑む。


 グウェンダルは、少し狼狽しながらコホンと咳払いをする。
「ま、そうだ。いや、それよりもお前の生活指導をしようと思って来たのだ。」


 生活指導なんて、硬い響きにユーリは身を硬くする。
「え~!そんなの聞きたくないよぉ。グウェンダル~」
小さい子のように駄々をこねて、かぶりを振る。


「よしよし~、いいこちゃんでしゅね~。」
突然、グウェンダルの口調が子猫をあやすような口調に変わる。大きくて節だった手が俺の頭をさわさわと撫でる。
突然のことに、俺は唖然となる。


「ぐ、グウェンダル?な、なんか今変な声じゃなかった?」


 はっとして、グウェンダルは真っ赤になる。
「す、すまない。一瞬、お前が昔飼っていた猫にみえたんだ。いやいや、そんなことより!」


 より一層眉間にしわをよせて、グウェンダルは俺に向き合う。
「健康を絵に描いたようなお前が保健室にくるようなことがあっては心配だ。これからは、自身の健康管理をするためにも、この健康日記をつけるように。」


 さっと、グウェンダルはA4サイズの日記を手渡す。
『健康日記』と表紙に書かれた日記を捲ると、一日の健康生活における反省という大きな枠組みがあり、その下に指導欄というものがある。
「わ~、面倒くさそう。グウェンダル、これってほかの生徒もやってるの?」


 少し慌てたように、グウェンダルは言う。
「そ、そうだ。勿論。では、私は勤務中なので失礼する。」


 さっそうと、踵を返してグウェンダルは保健室から出て行く。
なんか、グウェンダル異常に慌ててなかったか。まぁ、いいか。
あ~、それよりなんかこんな面倒な課題が増えて嫌だなぁ。


 衝立の向こうから、ギュンターがやってくる。
「おやおや、健康日記・・・ですか。グウェンダル先生は教育熱心なことですね。それにしても、ユーリ君は、なんておもてになるのでしょう。私は、心配です。でも、覚えておいてくださいね、私が一番にあなたをお慕いしているということを。」


 そういうと、ギュンターは俺の横に腰を下ろす。ギシ・・とベットが軋む。
長くて白いギュンターの右手が俺のあごをぐいと掴む。
うん?なんか嫌な予感がする。
ぼさっとしていると、ギュンターの顔がドアップになる。
やばい、こんどこそキスされる?!そう思った瞬間ー!


 がらがらがらっ!!


 派手に保健室の引き戸が開けられる。その拍子にギュンターが立ち上がる。
ドアから、険しい顔をしたコンラッドが俺の元に駆けつける。


「大丈夫でしたか?ユーリ。」
心配そうに見つめられる。
「あ、う、うん。コンラッドが来てくれて助かったよ。貞操の危機が免れたよ。なんて、はは・・。」


 今の言葉で、コンラッドが殺気立つのが分かった。なんだ、このすごい気迫は。
って、ギュンターも、なんてオーラだしてんだよ。戦う気か?二人とも。
でも、ここは異次元だし、地球設定なんだよな?


 なんて、ことを考えていると突然ふわりと俺の体が宙に浮く。
なんてことだ。コンラッドが俺の膝の下と脇の下に腕を差込み、俺をお姫様だっこした。素早すぎて気づかなかったよ。
さすが、軍人。例え異次元でも、その力失うことを知らず、だ。
は~、だから、そんなこと思ってる場合じゃなくて・・・。


「ユーリ、ここは危険ですから私が貴方を安全な場所へお連れします。」
いやいや、ここは地球のはずだからどこも安全なんですけど・・。
「あの・・コンラッドさん?これ、お姫様だっこですよ?俺、恥ずかしいな~、なんて。」
「恥ずかしがらないで、ユーリ。ここから、連れ出す間だけですから、ね。」


 ギュンターは、やれやれといった態度でかぶりを振る。
「ユーリ君は、本当におもてになる。私も、負けてはいられませんね。」
不敵に笑う、ギュンターをコンラッドは、キッと睨む。


「あぁ~、もう。だから、二人ともそんなに喧嘩するなよ。な。」
「ユーリ、ごめんなさい。貴方を心配させてしまいましたね。」
おでこに軽く口付けをされる。さらりと柔らかいコンラッドの前髪が俺の前髪にまざる。
「ここ、コンラッド!」
びっくりしてコンラッドを見上げると、コンラッドはギュンターに向かって不敵に微笑む。
ギュンターの顔つきが険しくなる。


 こ、これは、危険だ。なんとかしないと、
「こ、コンラッド!早くここから連れて行って~!!」


 夢中で、俺はそれだけ叫ぶ。






第四話 =完

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